| 2012年06月06日(水) |
遺言書作成すれば万全というわけではない |
日経(H24.6.6)21面に、「全員遺言時代 間近に 」「財産少なくても『争族』の恐れ 年代問わず準備を」という見出しで、遺言書作成を勧める記事が載っていた。
この種の記事はときどき掲載されるが、遺言書を作成すればすべて安心みたいな書き方をしている点が気になる。
もちろん、遺言書を作成した方がよいことは間違いない。
とくに、子どもがいない夫婦の場合には遺言書の作成を勧める。
例えば夫が亡くなった場合、夫名義の遺産のうち妻が相続できるのは4分の3だけで、4分の1は夫の兄弟が相続する。(夫の両親が亡くなっている場合)
夫の兄弟が素直に相続放棄してくれればいいが、意外と権利を主張することが多い。
そこで、遺言書で「すべて妻に相続させる」と遺言しておけば、兄弟に遺留分がないので、その遺言どおりになる。
しかし、子どもがいる場合には、遺言書を作成したからといって紛争がすべて予防できるわけではない。
子どもには遺留分があるからである。
また別のケースでは、長女に不動産、次女に現金を相続させる遺言をし、不動産の価値からして、長女の相続分がやや多くなるようにしていた。
ところが、不動産の価値が下落してしまい、亡くなったころには、長女の相続分がかなり目減りしていたケースがあった。
そのケースでは、長女は不満たらたらであった。
要するに、遺言書を作成することは望ましいが、作成しておけば万全というわけではないということである。
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