| 2013年02月07日(木) |
違法収集証拠の証拠能力 |
日経(H25.2.7)社会面で、覚せい剤取締法違反などに問われた事件で、東京地裁は、「重大な違法捜査があった」として覚醒剤の使用について無罪としたという記事が載っていた。
東京都内の男性の知人宅を家宅捜索したところ、中にいた男性が立ち会いを拒んだ。すると、警察官3人が腰や腕をつかむなどして退室を阻んだ。
室内からは覚醒剤などが見つかり、男性の尿からは覚醒剤成分が検出されて逮捕されたという事案である。
これについて、裁判所は「男性への逮捕状がないのに、実質的に逮捕・監禁した」と捜査の違法性を認定。尿検査の結果は「違法に収集されたもので証拠能力はない」とした。
これは違法収集証拠排除法則の問題であり、よく議論される。
この男性が覚せい剤を使用していたことは事実であるから、そのまま退室させていれば、覚せい剤を使用していながら、その罪を問うことができなかった。
この点をどう考えるかである。
判例の傾向は、捜査手続きに違法があったとしても、違法の程度が重大でないとか、得られた証拠は捜査の違法とは別に収集されたものであるとして、証拠能力を肯定することが多いように思う。
現に覚せい剤を使用しているのに、それを容認するわけにはいかないという心理が働くのであろう。
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