日経(H25.8.16)夕刊で、刑事裁判の「法廷通訳人」にアンケートを実施したところ、「裁判員裁判制度導入後に負担が増えた」という回答が多かったという記事が載っていた。
確かにそうだろうと思う。
裁判員裁判では集中審理を行うが、その場合の法廷通訳人の負担は大きい。
例えば、証人尋問では、検察官の質問を通訳し、被告や証人の回答も通訳する。
検察官の質問が終わると今度は弁護人の質問になり、それについても質問と回答を通訳する。
要するに、ずっと通訳しているわけである。
しかも、被告人質問や証人尋問だけでなく、起訴状、冒頭陳述、論告求刑、弁論なども訳さなければならない。
それを考えると、もっと報酬を増やしていいと思う。
実は、かなり以前は、「それは多すぎでしょ」と思うくらい通訳人の報酬は高かった。
ところが、ある時期に切り下げがあり、通訳人からは不満が出たが、私としては適正ではないかという感覚であった。
ただ、裁判員裁判は別であり、その負担を考えると、切り下げた通訳人の報酬基準では安く、もっと報酬を増やすべきであると思う。
その反面、通訳能力のばらつきがかなりあり、それは正すべきである。
その場合、すでに議論されている資格認定制度を設けることもいいが、ただ、資格認定試験の際に、刑事事件の法的知識だけでなく、発音を重視すべきであろうと思う。
以前、日本人の大学教授が法廷通訳人だったときに、後で被告人から「通訳人が何を言っているのかさっぱり分からなかった」と文句を言われたことがあった。
その被告人は日本語ができたので、実害はなかったが・・。
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