今日の日経を題材に法律問題をコメント

2014年05月16日(金) 不作為による殺人罪

 日経(H26.5.16)社会面で、死者、行方不明者304人を出した韓国の旅客船沈没事故で、韓国検察は、船長ら幹部船員4人を殺人罪などで起訴したと報じていた。


 これは不作為による殺人罪ということであろう。


 最高裁でも、不作為による殺人罪を認めた判例があるから(シャクティ治療殺人事件)、そのような法律構成が不可能なわけではない。


 ただ、不作為による殺人罪が成立するためには、救助すべき作為義務があり、しかも、それを放置したことが、作為による殺人と同視できるだけの強度の作為義務が必要であろう。


 また、殺人罪に問う以上、放置すると死ぬかもしれないがそれでも構わないという未必の故意がなければならない。


 旅客船沈没事件についていえば、いずれの要件もハードルは高いように思う。


 もちろん、他国の法律の下での起訴であり、韓国の判例も知らないので、起訴したことについてあれこれ言う立場にはないが、日本であれば殺人罪での起訴は難しいのではないかと思う。


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