日経(H27.3.6)社会面で、岐阜県美濃加茂市の雨水浄水設備を巡り、業者から現金30万円を受け取ったとして受託収賄罪などに問われた藤井浩人市長について、名古屋地裁は無罪を言い渡したと報じていた。
贈賄側は「現金を渡した」と供述していたが、裁判所は「その供述の信用性に疑問があり、現金の受け渡しがあったと認めるには合理的な疑いが残る」と判断したものである。
贈収賄など密室で行われる事件で、贈賄側が「現金を渡した」と供述した場合には、「自分も罪に問われることになるのだから、虚偽の供述をするはずがない」と考えられて、その供述は信用され、収賄側は有罪になるのが通常である。
それだけに、虚偽の自白があった場合には怖いものがある。
今回の事件で裁判所は、贈賄側の証言を虚偽であるとしたのであるが、検察庁は控訴するはずであり、名古屋高裁が、再び、証言が虚偽であるとして無罪を言い渡すかどうかは分からない。
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