先生妄想日記 |
2004年05月28日(金) 傷 私の病気の事は、知っている生徒は知ってます。 私が休みを貰うと、教室は閉まったままだからね。 委員会の生徒や常連の生徒は、先生方に事情を聞いたらしい。病名とかは知らないと思うんですが。 常連とまでは行かないんですが、そこそこ通ってくれてる、ある男の子。 「アイツはかなりオトコだよ。すげー良いヤツ」と、生徒の間で言われている子です。 でも、実は今まで、そんなオトコらしいか?まぁ確かに、五月蝿いけど面白いヤツだけどの、と思っていたのでした。 こないだ、その生徒が、他の生徒と一緒に教室にやってきました。 「先生病気どう?」 「あら、君も知ってるの」 「うん。こないだもこないだも休みだったじゃん、そんで担任に聞いた」 「そうなんだ。元気だよ、ありがとう。休みもらってごめんね」 「良いって良いって。あのさぁ、俺さぁ…………」 ガバッ! と上着を脱ぐ彼。 うぉーなんだなんだ、何脱いでんだ、と思ったのは一瞬。 彼の体のある場所は、大きな傷と、その周りの無数の小さい傷で埋め尽くされていました。 「ココ、こないだ切った所」 「え」 「俺、○○が悪いの、ずっと小さい時から。部活の後とか、普通に裸んなってっから、皆コレ知ってっけど。先生知ってた?」 「知らなかった……」 「めっちゃ何度も切ってっけど、俺、普通だから。スポーツ出来るし。先生も、大丈夫だよ」 “アイツはかなりオトコだよ” うん、ホントだよ。全くだぜ。男気だぜ。 ウッカリ泣いちゃったぜ。 ありがとう、ごめんね。とてもとても大好きだよ。 「傷、触って良いよ、めっちゃ滑らかだし!」 「そうなの?わ、ほんと滑らかだね」 「一度切った所は痛感なくなるから痛くねぇし」 「そうなんだ」 ………お前ら、やっぱりそこに落ち着くのか。 うーん、見習わねば。 |