長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2006年07月07日(金) 灑涙



 かはたれどきまで、雨は続いて。


 北の大地では、七夕は七月七日ではなく八月七日に行うのが通例だ。七月はまだ涼しいから、という理由。それから、旧暦にあわせて、という理由。謂われは様々のようだけれども、兎に角八月七日で、短冊を笹に吊るしたり、花火を楽しんだりする。

 曙に止んだ雨、空に雲は広がった侭。

 蒸した一日だった。北国の夏は遅い。今年は殊に其の訪れは遅々として、日照不足が叫ばれている折だ。短い夏が更に短くなる。それでも季節は移ろうてゆくのだろう。何時しか桔梗が咲き終わり、紫陽花がゆるゆると色付こうと花芽を付け始めた。紫露草が楚々として、地に這っている。

 夕間暮れに、空は変わらずに広がる雲の群れ。

 陽が落ちても窓を開けているなんて、私にしては珍しいこと。其のくらい蒸していたのだろう、気温は然程高くはなかった。満月には少し足りない月だ。十日余月――が、昇る姿は終ぞ見られず、夜半になっても空には星が瞬くこともなかった。世界は確り夜色に染まっていたのに。


 織女の姫と牽牛の君は、ひとときの邂逅を楽しめたのだろうか。










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