長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2006年08月19日(土)

 無用心だ。他者に対しても、自分自身に対しても。


 最近の暑さの所為か、それとも猛暑とは全く別のところで螺子が緩んでいたのかも知れない。なんて、こと。吐気がする。夕立は何時だって激し過ぎて、私は窓越しに見詰めることしか出来ない。飛び出していきたいのに。其れは、叶わないのだ。夜の匂いが私を描き立てる、駆り立てる。ただ其れだけ。
 もっと早くに気が付くべきだったのに。私は、判断出来るだけの材料を持っていた。筈だった。迂闊だった。軽率だった。夜の闇にやがて昇る朝の光を忘れてしまったくらいには。

 何処か、遠くへ行きたい。そういう思いは何時だって持っていて、其れを実行に移せるときは限り無く少ない。遠く。私のことを私だと知っている人のいないところ。
 九月になる前に、港町へ行こうと思う。港町。昔の活気が気配だけに残る、静かな街。賑やかさは飽和する空気の外側にある。運河と、煉瓦の、小さな街へ。










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