不意に、と言うよりは本当に唐突に、思い出したストーリーがあって、其の出典が何処かわからずにいるのがもどかしい。作者は乙一であるような気がしているのだけれども……タイトルが思い出せない。手持ちは『GOTH』と『失はれた物語』に二冊だけで、この中に載っていないのだから『ZOO』か何かなのだろうか。でも、もしかすると、著者も違うのかも知れない。
洗濯日和。 朝から蒲団を干して、昼過ぎには太陽の匂いをふんだんに含んで、ふっくらとふくらんでいる真綿。灼けつくような陽射しも、少しずつ和らいできている、かしら。 洗剤の香が寝起きの鼻腔を擽った。
何処で読んだのかなぁ……。如何しても、出典が思い出せない。
スケジュール帳と睨めっこする日々が続く。中学時代の友人と食事に行く約束をしていたのに、残念だ、断らなければならなくなるなんて。いつだって、そう。いつもそうだったから、きっと彼らは気にも留めないのかも知れない。それとも常から呆れていたのだろうか。 コミュニケーションは、置かれている環境や立場を無視して進行していくものだ。其処に、理解は及ばない。
両親の不仲で、子供は父親が其処に居るのに「居ない」ように接する母親の影響を受けて、やがて本当に父親が「見えなく」なってしまう、そんなストーリー。もしかすると父親と母親が逆かも。記憶は何時だってあやふやだ。 最近の 子供が親を害する 事件を見て、思い出したのかしら。切っ掛けも、何時だってあやふや。
夜が長いから、秋は思考するには持って来いなのかも知れない。北国の季節は、冬以外はさっさと走り抜けてしまう。廻る季節は確かな存在感を、残しているかしら。
あー……駄目だ、考えれば考えるほど乙一じゃない気がしてきた。誰の作品かな……。
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