長い長い螺旋階段を何時までも何処までも上り続ける
一瞬の眩暈が光を拡散させて、現実を拡散させて、其れから?

私は、ただ綴るだけ。
音符の無い五線譜は、之から奏でられるかも知れない旋律か、薄れた記憶の律動か。








2006年09月18日(月) 未来視

 不用意なことは、為ないように、言わないように。


 門限がまだ私にとって鎖か枷でしかなかった頃、私は早く其処から解き放たれたいと、其れだけを願って止まなかった。大人になれば解き放たれるだろうか。大人と子供の境界線は何処にあるのだろうか。此処を出てゆけば解き放たれるのだろうか。何時になれば此処を出てゆけるのだろうか。何時か、此の背に翼が在りますように。そんな取り留めの無いことを日々心に抱きつつ、早く早くと願って已まなかった。
 今だからわかる。昔為し得なかったことが、今出来得る筈もない。
 何時からか門限は拒絶の理由と化した。私の家、門限早いから。厳しいのよ、門限破りなんて許されないわ。事実門限破りなどしようものなら待ち受けるものは恐怖以外の何物ではなかった。私は、ただただ怖かった。
 恐怖が、潜んでいた。


 今の私が大人と呼べるかどうかは此の際問わないことにして。
 未だに鎖だの枷だの、そういうものから解き放たれていない私は、以前は容易に出来た筈の先読みが出来なくなり、苦手になり、嗚呼、年を重ねるごとに失われていくものというのは確かにあるのだと、思い知らされている。










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