何時だって切れるって思ってた。 帰宅したら切ろう、夜になったら切ろう、そう思ってた。
切りたい時も、切りたくない時も、切れる時も、切れない時も、ある。
北国は早足で秋が通り過ぎてゆく、其の真只中に佇んでいて、上着を持たずに外出は出来ないほどの気温になっている。半袖一枚では過ごせない。――今なら誰にも見つからないよ。そう囁くのは、自分自身。 気力が無いのは秋の所為? 季節の変わり目、夏バテの名残、迫り来る冬への準備として、私達は空を見上げる。高い、高い空の、金色の風。背に翼を持たない此の身は、只管に見上げるだけ。
一週間後の今頃は、首都。久しく――神経質になっている。
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