的といじの日記 DiaryINDEX|past|will
ラジオCMはテレビCMよりも購買につながるらしい。それはなぜか。実感としてはやはり親近感が沸くということだろうけれども、それでは何の説明にもならなってないので具体例を示そう。アイフルのテレビCMに愛想よさげな若い受付嬢(高卒後一二年の設定なのかと思われる。)が大写しになっているものがある。目的は中高年の飲んだくれを相手にしているという現実を隠し、企業の清新さをアピールする点にあるのだろうが、それはさておき、彼女と我々は画面をはさんで正対する構図になっている為彼女とその象徴せんとする会社の精神はあくまで”むこう”の存在として理解されてしまう。親近感という点でいけば”ららら無人君”のほうが優れていたと思われる。こちらとて画面の”むこう”に人がいるという点では同じだが、こちらの場合は登場人物は会社そのものでは決してなく、むしろ会社と視聴者の両方から等距離にいる”両者が共に笑う対象としうる第三者”、であり故に、立場を共有しているという幻想が生まれ親近感が生成されるの。心理学的には正対して座る二者よりも横にならんで座る二者のほうが親しいとされる。分かりやすくいえば、ラーメン屋でカウンターに座るカップルはかなり親しいということである。ところで、ラジオCMは音だけであるから、受け手は聴覚に頼る。目に見えるものは常に他者で、鏡でも使わなければ自分自身を見ることはできない、一方聴覚は自己の音声にも他者の音声とほぼ同様に開かれている。しかも聴覚によって音源の位置を特定することはできないこともないが、わりに難しい。このことがラジオCMに親近感を沸かせる能力を与えているのではないのか、ふとおもう。
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