halu
みんなが嘘を言う。
「そばにいる」
なんて、
いちばん聞きたくない嘘を言う。
私がいちばん欲しいことばを言う。
残酷だ。
どうして、
どうして。
結果は、
すべてが嘘だ。
一緒になんか居てくれない。
そばになんて居てくれない。
なのにどうしてそんなことをいうの?
どうして期待させるの?
どうして喜んでしまうの?
愚かだ。
かつて愛したあの人が、
今の私を取り巻くことばすら変えてゆく。
痛みは今も、
じわじわ残り続けて、
私の感情を侵食する。
おいていかないで。
そばにいて。
おいていかないよ。
そばにいるよ。
「君はひとりじゃない」
だったら、
どうしていなくなったんですか?
嘘をついて、
体のいいことを言って。
記憶は消えない。
刻み付けられて、
痕は醜い。