ToY◎StorY
モクジカコミライ


2015年06月10日(水) 彼のこと。

あつくんに

「彼のことは、本当に好きじゃなかったのかもしれない。

 彼にはなにかしてあげたいとかそういうことは思わなくて

 ただ、ただ、尊敬の念がそこにあったから」

とぽつりと海外勤務の彼の話しをした時

「好きのカタチはいろいろやねんから、

 好きじゃなかったってことはないと思う。

 それでいいと思うねんな」

とあつくんは言った。



彼のことを思い出すと

手をつなぎたいのも

キスをしたいのも

体の関係をもちたいのも

未来を築きたいのも

あんなに恋い焦がれたのも

彼だったことに気づいてしまうから

わたしは無意識にふたをしていた。




あつくんじゃなくて

れいちゃんでもなくて

わたしは

わたしは




彼のこと、

ちっとも忘れられてやしない。


みっこ |MaiL

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