2003年05月03日(土) |
アメリカの外交と国民の意識。 |
私は田中 宇というジャーナリストのメールマガジンをとっています。 彼の記事は多少3面記事的な部分もあり、少し公正に欠いている気もするのですが、それでも楽しくよめるのでとりあえずとってます。
http://tanakanews.com/
以前、彼は"冷戦以降、アメリカ国民は自国の外交政策に対する関心を失ってしまった"ということを指摘していました。まだsep11以前の記事だったと思います。
この指摘は、たしかブッシュ大統領が就任し、京都議定書の承認を拒否したときになされたものだったとおもうのですが、つまり選挙の際、外交政策についての十分な議論がここ最近なされなくなったということです。ブッシュ大統領は就任後、京都議定書の承認拒否、中国への挑発、通商法301条の乱発など、自国の利益のためにはなりふりかまわないというそれまでの大統領にはあまりみられなかった外交を展開します。
この裏にはチェイニーという人物が裏をひいているわけですが、この当時はさすがにアメリカ国民も数々うちだされるこれらの政策と海外からの批判のため支持率を下げていきます。
これらの次第により、ブッシュはチェイニーと次第に距離をとるようになっていったと一部ではいわれていますが、これらの状況を一変するできごとが起こります。9/11です。
これ以来、勢力を徐々に失いかけていたチェイニーをはじめとする国防族は息をふきかえし、現在のネオコン全盛の時代へといきつくわけです。
アメリカはそもそもあまり自分から戦争をしかけていくタイプの国ではなく(ベトナムはどうだったかもしれませんが)どちらかというとやられてから倍返しというパターンでした。それも、それまで本土を攻められたことが無いというところから生まれている発想でしょう。ところが911のようなことがあると先手必勝のような雰囲気が流れ出し、そうしたタブーが破られてしまいました。
また、国民もそもそも冷戦以降、外交に対する関心がなかったことにより海外情勢に非常に疎く、911以降はマスメディアのやや偏向した報道により、どうもアメリカ中心のゆがんだ世界観を描きがちです。
実際、世論動向もイギリスなどは当初、戦争に対する賛成票が非常に低かったのとは対照的にアメリカは開戦前から高い支持を得ています。
アメリカはおそらく世界一の多民族国家であり、世界中の人々があつまってきます。私は大学にいたときなどは、クラスの約半分はインド人、あとの半分は中国人と数人のアメリカ人と私というクラス構成に非常におどろきました。
しかしながらそうした多様性とはうらはらにアメリカ国民の意識というのは日本などに比べても非常に内向的であるということがこうしたことからいえるとおもいます。
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