たまの日々

2002年04月02日(火) 鉄橋を渡る音

昼下がりの中途半端に人の少ない電車に、
がたんごとんとゆられていった。
ひさしぶりのグレーのスーツに白いシャツ。
なるべく普通にみえるように、
まっとうな社会人にみえるように。
派遣登録をするのにはベストな服装なんて、
そんなにおもしろいもんじゃない。

2年前までは毎日のように乗っていた電車。
あの頃とかわらず
線路沿いにはやわらかそうな緑の絨毯。
ところどころにたんぽぽ。
赤錆色の鉄橋、
緑の川面にただよううす桃色の花びら、
桜は両岸に惜しげもなく咲き誇る。

大きなビル。
書類を書くのが遅い私。
面接はなぜかいつもなごやか。
エレベータホールは銀色でつるつるしていた。

電車に乗って家に帰った。
夕方がやってきていた。
前の会社に勤めてた頃は、
こんな明るいうちに電車に乗るなんて考えることもできなかった。

緊張して、つかれたよ。
次の仕事に慣れるまで、
こんな日々が続くのかな。

がたん。ごとん。

いっぱい考えたよ。
私なりに考えたよ。

春の土手で、
やわらかく放り投げたボールのように、
受け止めてもらえたらうれしいな。

今日最後の電車が鉄橋を渡る音が聞こえる。

なにがあるわけでもないのに、
明日が待ち遠しい。






↑エンピツ投票ボタンです。押すとコメントがかわるよ!

My追加


 < 過去  INDEX  未来 >


たま [HOMEPAGE]

My追加