目を覚ますと窓いっぱいに灰色の空がひろがっていた。 まるで深呼吸をするように、 あたらしい葉は細かい雨を受けていた。 今日は、海へ行く日なのだ。 そう思ったらすっきりと起き上がれた。
テキパキと準備をすませて家を出る。 新緑とグレーを縫うように、 雨の街を車で海へ向かった。 不思議な程あかるい一日のはじまりは、 どこか間が抜けていて、 でも、なにもかもがやさしかった。
結局、 一日中天気は良くならなかった。 おかげでそんなに海も見れなかった。 グレーのフィルターをかけたような景色の中で、 シャツもジーンズも幾分湿って冷たかった。 だけどね。 気持ちはあたたかかった。ずっと。
こういう日を、 気持ちのいい日というのかもしれない、 なんてね。 今度話してみようかな。
たのしいこと、 きもちのいいこと、 うれしいこと。
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