痛みが、 ココロを蹴飛ばしている。 目覚めろ、理解しろ。 このままでいいのか。
傷は、 私にとってなんていうこともない。 ただ苦しいだけ。ただ痛いだけ。 少し不便なだけ。 大丈夫、耐えられる。
だけど痛みが、 隠していたもの、忘れているフリをしているものを、 無理やり認識させる。 お前は、 自分を信じないでいったい何を信じようとしてるっていうんだ。 なぜ耐えようとするんだ。 こんなになってまで、 何を守ろうっていうんだ。
崩すなんて簡単だ。
電車が揺れる。 時折、鞄や背中が、 私の肩に当たる。 心の中で、 デューク、と呟く。 デューク、デュークと架空の犬の名前を心で叫ぶ。 涙が止まらなくて、 ただ繰り返す。
痛みが、 いつまでも私を蹴り続ける。 電車が揺れる。 気付け、理解しろ、信じろ。
だけど。
|