この秋、はじめての梨をたべた。しゃりしゃりとした歯ざわり。淡い甘み、口中にいっぱいにひろがるみずみずしさ。あくまで清潔な白色。今日は、そんないちにちでした。静かで、涼やかで。余分なもののない時間。それは不思議な気持ちでした。何もかもが少しやさしくてあっさりしている。現実感のないいちにち。淡い味のいちにち。すとんと秋が落ちてきました。濃さ、とか強さとか。そういうものがすうっと遠のいていったような気がします。とても、さみしい。秋が、やってきてしまいました。