たまの日々

2003年02月26日(水) リターンでその先へ

「タダ券があるんだけどいかない?」
とさそわれて年上の女友達と映画を観にいった。
話題の洋画はどれも時間があわなくて、
仕方なく13階段を観た。
女ふたりなのだから、
もうすこしたのしいものが観たかったな。
少林サッカーはとてもたのしかった。

女ふたりで話もいっぱいした。
こういう平日を過ごすのはどれくらいぶりだろう。
自分が自分じゃないみたいな、
しあわせなひとのようだった。

映画館を出ると、
奥へ続く路地にパトカーの灯りが列をなしていた。
映画を観ている最中に、
近所で火事が起きていたらしい。
野次馬らしきひとが、
「大変だったらしいよー」と知ったような口をきいていた。

いつも何かをあきらめるとき、

私がもう少しやさしくてかわいかったら

と心の中で唱える。
ときに友人に口走ってみたりもする。
みんなその意味をわかるはずもないし、
曖昧に微笑むだけだ。

それは言葉どおりのことで、
でもそれだけじゃなくて、
その言葉の真意を正確に伝えるのはとてもむつかしい。

ほんとうにしあわせなただのこむすめになれるのなら、
何度だってやりなおしたいと思うけれど、
私が大切にしているものを守りたいと思うその瞬間に、
いつも現れるターニングポイントを、
例えやり直せるとしても、
私は今と同じ道を選ぶだろう。

だから思う。
私がもう少しやさしくてかわいかったら
そういられたら。
という過去形。

リプレイ、ではなく、
リターン、で先へいく。


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