3月早々風邪をひいた。 おかげで、たのしいことの可能性は全部没収。 再びさみしい週末となってしまいました。
やはり一人暮らしなんてだいきらいだ。
高熱で会社を休んだ火曜には、 実家の母に電話をして、風邪薬と食料を持ってきてもらった。 あとはずっと一人で寝ていた。 9度を越えたときには不安に寒気がした。 うとうとして、目を覚ましては体温を測り、 氷枕におでこをあてて、 買ってきてもらったパンやプリンを食べて薬をのんだ。 これ以上、会社は休めない。 必死だった。
翌日ふらふらしながら会社へいった。
仕事がおわって母からメールが入った。
警察から電話があったって。
近所の保育園の駐車場におきっぱなしだった車のこと。
暗い気持ちで母に謝罪の電話をした。 疲れたような声で、 「あんたの風邪がうつったみたい」 その言葉が耳から離れない。
それ以来、 ずっとずっとひとりだ。 起きて、会社に行き、ご飯をつくって、ひとりで眠る。 ひとりばかりだ。
風邪が完治したとして、 私は実家に顔を出すことができるのだろうか?
金曜の夜は風が強くて、 ひとり、部屋でじっとしていると、 建物全体がときおり風に押されて揺れる。 ひとりでいることがほんとうに嫌だった。
ケータイを握り締めていた。 メモリに並ぶ友人たちの名前をみていた。 だれかと話をしたかった。 ひとりじゃないって、思い込みたかった。 でも、 誰も電話できなかった。
だれに電話をしてもいいのかわからなかった。 電話してもゆるされるのかわからなかった。
どうしたいかはよくわかっていたけれど、 決してそうするわけにはいかなかった。
追い詰められて、電話をしてしまった。 会話がしたかった。 だけど、 迷惑をかけただけだった。 電話なんかしなきゃよかった。 わかってたけど、 やっぱりしなきゃよかった。
心から思った。
私が、 もうすこしかわいくてやさしかったら。
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