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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2005年05月23日(月)
Vol.576 日本語の難しさ

おはようございます。りょうちんです。

パートのAさんは結婚するまでの間、ずっと台湾で暮らしていた。ダンナさんも日本人だし結婚して20年近く日本で暮らしているので、日本語はペラペラだ。ごくたまにイントネーションがおかしかったり変にまちがったコトバの使い方だったりすることはあっても、他の人との意思疎通にはことかかない。むしろそれが彼女の個性にも取れるし、突然難しい慣用句や熟語を言ったりすることもあったりで、彼女の日本語力にはつくづく感心していた。
そんな彼女とお客様の間で、ちょっとしたトラブルが起こってしまった。発端はささいなことなのだが、その説明をするのに彼女のコトバが「いいわけ」に聞こえてしまったらしいのだ。彼女の精一杯の日本語力で懸命にコトバを伝えても、話せば話すだけお客様はご立腹し自分は不利な立場になる。日本語の難しさを痛感した彼女は、もどかしさのあまりついに泣き出してしまった。お客様とのやり取りがうまくいかず悔しかったのか、自分の日本語力の未熟さが悔しかったのか、涙を流した理由は両方にあるのだろう。「コトバではなく、お客様には気持ちを伝えてあげてくださいね」と俺は言ったけど、彼女の精一杯の努力は認めてあげたかった。
その後俺は改めてお客様の元へとうかがい、コトバの行き違いからうまくコミュニケーションが取れなくて不愉快な思いをさせてしまったことについて、再度謝罪して頭を下げた。長い時間こんこんとお説教されたが、「どうせあの人、日本人じゃないんでしょ?」と言い捨てたお客様のひとことが、俺のココロを傷つけた。
うちの店にはAさんのような人もいれば、ドイツ人とのハーフもいる。以前は海外からの留学生も働いていた。一応接客をする仕事なので、日常生活で不都合がない程度の日本語を話せることが条件だが、それさえクリアできていれば誰だってかまわない。目や肌がどんな色だって国籍がどこだって、一生懸命仕事をしてくれるのならばそんなの関係ないのだから。たまたま今回はこういうトラブルが起こってしまったけれど、俺はこのやり方を今後も貫いていこうと思っている。