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2005年06月28日(火) ■ |
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Vol.585 恥ずかしい宝物 |
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おはようございます。りょうちんです。
まだ6月なのにこの暑さ。体温並みに上昇した記録的な暑さを、いったいどうしのげばいいのか。うちわも扇風機もクーラーも風鈴も冷麦も怪談話も、他にも涼を取るアイテムは数多くあるけれど。どんなに暑い真夏の炎天下でも、一瞬にして身の毛もよだつほどの涼しさ、というか極上の寒さを体感できるものが俺にはある。 学生時代、ずっと俺は空想少年だった。空想といえば聞こえは良いが、どちらかといえば妄想に近かったと思う。100%ありえない架空の世界を俺のココロに描き、その中でいろんな事件が起こっていった。超能力を使ってみんなを驚かせたり、誰もがうらやむほどのかっこいい少年になって素敵なロマンスに落ちてみたり、時には悲劇の主人公を演じてみたり。都合の良いように自分で話を進めながら、つまらない授業もそうやって現実逃避することで退屈な時間をつぶしていた俺だった。 当時、俺は密かにもの書きにも憧れていた。だから俺の中の妄想は、頭の中で描かれるだけでなく必然的にコトバとしてカタチに変わっていった。時にそれは教科書の端に書き留めたポエムだったり、ノートに綴った小説だったり。どこかで使い回したような安いポエムや、ストーリーなんて稚拙で矛盾だらけの小説なんて、作品と呼ぶにはとてもおこがましいのだが。できあがったものを友人たちに強制的に見せてよろこんでいたのだから、俺も相当たちが悪い。高校2年の時に書いた長編小説は、学園モノのラブコメディ。当時は笑いあり涙ありの甘酸っぱい青春を描いた最高傑作だなんて思ってたけど、今考えてみればあまりのくだらなさと質の低さで、とてもじゃないが人に見せられるものじゃない。あの頃の俺、身の程知らずもはなはだしいったらありゃしない。バカバカ、俺。バカバカ、もっと恥じを知れ! あれから時は過ぎ、今は「ひとりごと」を書いている俺ではあるが。当時作ったポエムや小説は、実はまだ残してある。相方も知らない秘密の引き出しに封印したまま、時々思い出すだけで恥ずかしさの嵐で信じられないほどの寒さに襲われる。俺の最強に恥ずかしい宝物は、今では他人には絶対見せられない青春の証なのだ。
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