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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2005年07月01日(金)
Vol.587 アクシデントを乗り越えて

おはようございます。りょうちんです。

俺がマラソンをしている間、何度もケータイが鳴っていたようだ。帰ってきたらすぐにシャワーを浴びて走り疲れたカラダを癒そうと思ってたのに、誰か俺に急用があるに違いない。着信履歴を見ると、そのすべてが高校生バイトのIさんからだった。留守電に残されたメッセージは、「とんでもないことをしてしまいました、すみません!」という泣きそうな声。これは何か一大事があったのだろう。俺は折り返しIさんに電話をかけた。ワンコールもしないで電話に出た彼女に理由を聞いてみると、どうやら預けておいた店の鍵をなくしてしまったとのことだった。
Iさんはバイトをはじめてまもなく1年になる。部活とバイトを上手に両立させているがんばり屋さんだ。そんな彼女に店の鍵を預けたのは、まだ1ヶ月前。放課後は部活があるし早起きは得意だという彼女に、店をオープンさせるという朝の大事な仕事を任せることにしたのだ。誰もいない早朝の店にいちばん先にやってきて、裏口の鍵を開けて店内に入り、ひとりで準備をはじめる。彼女が来なければその日の仕事の予定はすべて狂ってしまうし、営業自体できなくなるかもしれない。それだけ重要な仕事なのだ。学校がない週末を中心に、彼女の仕事もだんだん慣れてきた頃だったのに、仕事に必要な鍵をなくしてしまったという。
そういや彼女に鍵を渡す時、「これは店の大切な鍵だから、どんなことがあっても絶対になくさないでね!」と何度も念を押した俺。そのコトバが頭をかすめ、店や俺にとてつもない迷惑をかけてしまったと思ったのだろう。確かに鍵をなくしたらかなり面倒なことにはなるが、でも泣きべそをかきながら謝る彼女の声を聞いて、俺は怒ることなんて最初から最後までできなかった。
数日後、無事鍵は発見され彼女の元へ戻ってきた。俺は彼女のことをまったく咎めなかったけど、彼女は相当反省したようだ。これでもう二度と鍵をなくすことはないだろう。そうやっていろんなハプニングやアクシデントを乗り越えて、バイトくんたちは育っていくものだ。Iさんもこの一件で、さらにたくましくなったかな。