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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2008年03月06日(木)
Vol.714 おしゃれももひき

おはようございます。りょうちんです。

極度に寒がりな父は、昔からももひきを愛用している。ラクダ色のそれは見た目はひどくカッコ悪いが保温機能にはかなり長けているようで、冬の間はももひきをはかないとどうにもならないと言っている。そんな父を見て、俺も昔はおじさん臭いなぁと良く思っていなかったが、還暦を迎えた今はそれはそれで味のあるファッションなのかもしれないと思うようになってきた。
古くなった衣類をリサイクルしようと実家を訪ねたところ、母が手渡してくれた包みの中に真新しいももひきが2つあった。だがそれはいつも父がはいているものとは違い、ラクダ色ではなくグレーと紺色。カタチもいくぶんカッコ良く作られていて、おしゃれなももひきだ。しかし父はいつものラクダ色のももひきじゃなきゃイヤだと言って、はくのを頑なに拒んだのだという。「もったいないけど誰もはかないからね。なんならお前がはけば良いし、イヤならリサイクルに出しちゃって!」と母は言って、俺はおしゃれももひきを2つ手に入れた。
ももひきなんて。そんな固定観念がココロにはあったが、父があれほど愛用している代物だ。けしてカッコは良くないけれど、このももひきはラクダ色ではないしずいぶんおしゃれに作られている。最近じゃ若いサラリーマンがスーツの下にこっそりはいているのが流行っているなんてニュースも聞いたことがあるし。寒さが凍みる冬の夜、俺は騙されたつもりで手にしたおしゃれももひきに足を通してみた。おやまぁ、これがなんてあったかいこと。底冷えのする職場でも、このももひきさえあればきっと快適に仕事がはかどるに違いない。寒さにはかなわない。すぐにこのももひきを俺も愛用しようと即決した。カッコなんて二の次と思っていたが、はいてみると思ったよりも見てくれは悪くない。そんな気がする。
そういうわけでこの冬、俺はおしゃれももひきを手放せなくなった。もう俺は、このももひきなしでは冬は越せない。こうしてまたひとつ俺もおじさんになっていくんだよなぁ。もう少し暖かくなれば、ももひきの季節も終わる。春が待ち遠しい。