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りょうちんのひとりごと
りょうちん
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2010年04月27日(火)
Vol.758 ますかけの運命

おはようございます。りょうちんです。

占いなんて全然信じてない俺が言うのもまったく説得力のない話なのだが。俺は相当すごい手相をしているらしい。ひょんなことから過去に2度ほど手相を見てもらったことがあるのだが、ふたりともそろってこれはすごいと言ってくれた。いわゆるますかけ線の持ち主で、頭脳線と感情線が完全に1本に繋がっちゃっている。手を握ると、てのひらの上半分と下半分がその線を境にちょうど折りたたんだカタチになる。片手だけますかけになっている人はそこそこいるらしいのだが、俺の場合は両手。しかもこんなにも鮮やかにきれいにくっきりとますかけになっている人はなかなかいないらしいのだ。両親に言わせると生まれた時から俺はこの手相だったようで、ひらがなを覚え始めた時に、「て」という字がわからなくなったら自分の手を見れば答えが書いてあると母に言われたことがある。
ますかけの手相を持った人は頭の回転が速く、とにかく幸運なんだそうだ。初めて手相を見てもらった中学生の時に、君は将来は社長になると言われたこともあった。実際には今のところ社長のイスには到底座れそうもないが、確かに自分でも強運だと思う。徳川家康と同じ手相なんて言われるとさすがに悪い気はしない俺は、実はずっと秘かに自分の手相を自慢に思っていた。
去年まで整体師として働いていたバイトのSくんは、手相を見ることができる。他のバイトくんたちの手相を見ては真剣に占っている彼を見ていると、どうも中途半端にやっているようには見えない。話の流れに乗って、知らないふりして俺も彼に手相を見てもらった。すると過去のふたりと同様に、俺のますかけを見た途端に彼はひどく驚いて案の定すごいすごいの連発。両手にこんなきれいなますかけを持った人は初めて見たとびっくりしていた。
だが良いことしか言わない彼に、少しだけ俺は意地悪をしてみたくなった。いくらますかけとはいえ、ひとつくらい悪い相も出てるはず。強引に食い下がる俺に、重い口調で彼が言ったのは、「40歳あたりから、運命線がぷっつり切れてないんですよね…」。40歳までのタイムリミットはあと2年。それ以降の俺の運命は、いったいどうなるんだろう? ますかけの運命は、幸運じゃなかったのか? いや、運命なんてわからないからおもしろいんだ。