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【沙亜子はいまだ、水の中】





◆ 「ギタリストの指を見ていたい」





そうしてぽつんと深夜、
Kちゃんからメールが入る


「ブランキー☆サイコー」
お酒を飲んで、切なくなって、
そうしてメールで気持ちをこぼしてくる



未だにブランキー喪失の穴が埋められてない模様
いや、埋める気もないのだろう







ブランキー時代のベンジーより、
今のベンジーはより陽気で奔放で自由な雰囲気を漂わせている
、気がする



ブランキーの頃は、
あまりギター・アクションもなく、
ただ立っているその立ち姿がストイックさを増し、
余計なMCをしないところが神々しさを見せつけていた


三人の登場は地響きのような怒号が鳴り響き、
よりブランキーのイメージを作り出していた


そのイメージが先行し過ぎ
普段の彼らの素朴な性格さえ、ステージには表れることがなかった
それもいい
それもよかったんだけど


今の彼らもいい感じ
柔らかく、制約もない所で、
悠々と立ち振る舞う、
そんな気がして、何だかそれはそれで嬉しい




まるで条件反射のように、音を綴る
小さな風の反応に、小さな笑顔で応える


ああ、笑った
ベンジーが笑った
ブランキーの頃は、最後の方のライブでしか見たことなかった
彼らの笑顔
彼らのジョーク
柔らかな天使が通り過ぎる






素直なんだなあ
素直で敏感な感性
絶対に逃がさない、瞬間の感性


だから味わいたいのだ
ゆっくりと隅々まで
その細やかな変化を逃したくないのだ





「ギタリストの指を見ていたい」
そう言ったのはKちゃん
私もそう思う、そう言いたかったけど言わない
ただ暴れるために前列に潜り込みたいのではなくて


ギタリストの指を!
ギタリストの指を!








またクリスマスあたりのライブでは、
メロウでスローでセンチな選曲が聴けるのかな






Kちゃんは音楽雑誌をほとんど読まない
私も最近、めっきり読まなくなった




他人の批評、記事に染まる前に
自分の感性で、先入観無しで音楽を聴きたいからだ
正直、音楽雑誌は好きじゃなくなってきた




おかげで情報も少なくなっちゃったけど
それもいい感じ




情報が少ないほうが、自分の軸をしっかり感じられる
結局は自分
最後は自分
自分次第だと、胡散臭い自分がそう訴える
笑えるね





ブランキーはブランキー
JUDEはJUDE
違うものだと認識する
言い聞かす



が、聞き分けのないKちゃんの心が
電波にのって
また、ほら、飛んで来る











2004年07月21日(水)






   


   

      は




     ま

  


 

の        
 
   




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