猫の足跡
一覧|過去へ|未来へ
2002年04月06日(土) |
モータースポーツの振興とファンサービスについて |
FISCO(富士スピードウェイ)でFポン(フォーミュラ・ニッポン)の予選を見てまいりました。 全日本F3000などという名称で、まだモータースポーツ・バブルが頂点を迎えていなかった頃の開催を一度見に行ったきりで、実質初観戦です。
【Fポンの印象】 朝、東名御殿場インターを降りる車はかなりの多数。富士山・山中湖に行く車と分かれ、FISCO方面に向かう車に限定され、台数は多くないがこんなもんか…と思ったのはつかの間。FISCOへの最終コーナーで、各車直進してしまうではないですか…。おやおや?
正面には、まだまだ桜が咲き誇る「富士霊園」…。お墓に負けるなんて…(泣)。
当然、駐車場もガラガラ。グランドスタンド脇にびしっと横付けです。う〜ん、雰囲気としては、土曜日の地方競馬場ってカンジかなあ。そこからよたったギャンブルオヤジを引いて、カメラオタクをプラスしたイメージ。
まあ、閑散としつつも、天気はいいし、土手の草っ原でほけ〜としながら、疾走するマシンを見るのは、レース観戦気分は盛り上がらないけど、個人的には好きなシチュエーションです。まさにピクニック・デートだなあ…。と、のんびり進行でヘアピンに腰をすえ、午前中練習走行を眺めました。
F1との違いは…。まず、音が全然違います。同じ3リッターなのに、全然迫力がありません。最初はマシントラブルかと思ってしまったくらい…(笑)。更に言えば、サポートレースのヴィッツなんて、静か過ぎて車が走ってるかどうかわからない(爆)
そして、セッティングの決まってない車が多いのも気になりました。多分、テストにかけるお金と時間がF1とは段違いというのが最大の理由だとは思いますが、ステアリングの修正やタイヤスモークが多くて、素人目にもアンダーがでてるのとかが分かりました。
…そう、例えて言うなら、高校野球とプロ野球の違いみたいなものでしょうか、スピードと迫力、技術の違い。やはりF1は世界最高峰なんだなあと改めて実感。
【チーム、ドライバーについて】
のんびり見てしまったのがいけないのか、上記F1と比べて物足りない印象をもってしまったためか、あまり記憶がありませんが一応寸評。
まず、チームXBOX IMPALの車は、黒に緑でとても精悍な印象。でも、メインスポンサーがあのマイクロソフトであることを考えると、なんとなくコース上でフリーズする姿が目に浮かんでしまうのは気のせいだと思いたいです。本山選手は(好き嫌いは別として)速いですね。 ARTAはマシンの色が美しくない。Mシューのヘルメットの色のようです。
話題の新人、山本清大選手は、やはりまだまだ未熟な印象で、がんがんオーバーテイクされています。まあ、1983年1月生まれのまだ19歳になったばかり、日本でのフォーミュラカー経験なしどころか、カート経験しかないという、言ってみれば「超」初心者がいきなり日本最高峰のフォーミュラレースに出てきてしまったんだから、しょうがないでしょう。車で鈴鹿を走ったことも無い選手が、107%タイムをクリアして予選通過するんだから、もしかしたら凄いことなのかもしれません。前回の鈴鹿に比べて明らかに進歩しているようでもありますし、今後を期待したいと思います。目指せ、日本のライコネンってとこかな?
この山本選手。スポンサーがこれまた凄い…って私はよく知らないんですけど、アダルト・ビデオの会社「ソフト・オン・デマンド」が全面スポンサードらしいです。(確かにマシンはレモンイエローに黒い「ぶち」と異彩を放っておりました) で、レースクイーン(RQ)に現役AV嬢!ということで、かなり話題になっておりまして…。おもしろそうだったので、ピットウォークのお時間には、ピット前のスタンドから望遠レンズを構えて、噂のRQとピットウォークチケットまで買って入る熱心なファンの動きを観ることにいたしました。
【ピットウォーク観察】 まるでデモ行進の先頭のように、テープに導かれて、ファンがピットロードに入っていきます。
結構人数が多くて、ざっと200人くらいいたので驚きました。各自、自分の好きなチームのピットにわらわらと集まる…という寸法なのですが、人垣ができているのはどうやらRQが出てきているチームばっかり。
でもね…、不況なんですね。予選だからかもしれないけれど、RQを用意しているのはわずか3〜4チームしかなく、寂しい限りでした。われらがソフト・オン・デマンド・ノバには残念ながらAV嬢RQは出てきてくれませんでした。ピットウォークで群れていたカメラオタクのお兄さんたちも期待はずれだったようです。
【マッチに見た正しいファンサービスの姿】
さて、今回初めてこういう光景を眺めた感想を結論から言うと…
「マッチに惚れました」この一言に尽きます。
昔から、レースに対する真摯な姿勢には好感を持っていましたが、あらためてそれを間近で見せてもらいました。チーム監督として、オリンピック・コンドー・レーシングを率い、若手ドライバーに活躍の場を与えていることもそうなのですが、やはり、芸能生活で鍛えた人だけあって、「正しいファンサービス」の提供には頭が下がります。
ガレージ内にファンが入らないよう、ピット前にテープを張るのはどこも同じです。でも、監督自らその前面に出てきて、関係者と打合せ(または取材を受けている?)姿を見せたり、ファンと話をしたり一緒に写真に収まったり、サインを書いたり…。そして、チームのドライバーにもきちんと同様のサービスをさせていたのは、コンドー・レーシングだけ。
他チームは、RQをピット前に立たせて、写真撮らせるくらいが関の山。ピットウォークの終了ぎりぎりになって、追い出しがかかってから、やっとドライバーがちょこっと出てきて最後まで残っていた「ごく熱心な」ファンと写真をとるくらいでしょうか。ARTAやPIAAナカジマなどはファンサービスのかけらも無いという状態です。
レースに集中したい、というチーム関係者の気持ちもとても良く分かります。RQを用意するのは、ファンサービスの一環かもしれません。やはり、本当にレースが好きなファンであれば、レースカーを近くで見たい。ドライバーや監督に応援のメッセージを伝えたり、レースを控えた生の表情を知りたい。というのが正直な気持ちであって、ここに応えるのが本当の「ファンサービス」なのだと考えるのです。 わざわざ遠くまで来て入場料と駐車場代金払って、そのうえに高いお金払ってピットウォークチケット買った人たち相手にきちんとサービスしないでどうするんでしょう。本当にレースの邪魔になるんだったら、「レースの準備舞台裏をみせてあげまっせ」って触れ込みで金を取るパドックパスとかピットウォークチケットとか売らなければ良いわけでしょう?
もちろん、レースでいい走りを見せるのが大前提で、この点においてもコンドー・レーシングは全く手を抜いていません。荒聖治選手、金石勝智選手と粒をそろえて、表彰台をいつでも狙える体制を整えています。
というわけで、マッチからは、「レースを観に来てくれたファンへの感謝」「モータースポーツをもっと好きになってもらいたい」という「レースを愛する気持ち」がひしひしと伝わってきました。ともすれば芸能人の片手間趣味的に扱われがちなところを、レース界でもそれなりの認識をもたれているのは、こういうところなんだな、とワタクシ蚊取犬は「マッチ応援」を誓ってしまったのであります。
レース中継にろくでもない芸能人集め、車メーカーヨイショの連呼で空疎な盛り上げをはかるテレビ局や、ファンサービスに背を向けて、走ることが仕事だとイキがるレース関係者さん。モータースポーツファンを増やしたければ、もう少し、頭と心を使いましょうよ。このままでは、日本のMSは衰退の一途をたどるばかりだと思います。
【お昼休み】 せっかくのピクニック日和なのでお弁当を作ってゆきました。アスパラベーコン巻き、ツナ入り卵焼き、豚肉コーラ煮(こればっか!)、おむすび、果物、その他多少の付け合せっていうメニューです。昔の私だったら絶対こんなことしないだろうなと思いつつも、「きっと喜ぶんだろうな〜」とやってみました。「フツーのオトコをきっちり攻略するには、まず舌から」ってわけではありませんが、あまりにも、簡単に落ちたので笑えました。 (間違ってもこの日記を見せる気はないけれど)一応、忠告しましょう。オトコたるもの、女にもてたかったら、「久々にまともな飯食った気がする」とか「ラーメン屋のチャーシューよりうまい」とか女を増長させるような言葉を安易に口走ってはいけません。あ〜馬鹿なヤツ(笑)。
【予選】 Fポンの予選は2ヒート、周回規制はありません。したがって、各ドライバーはタイヤをどの程度温存するかという計算はあれど、実質自由に周回を重ねることができます。 で、これがつまんないんですよ。どの車がアタックしてるかが全然分からないんですもん。ぼ〜と見るしかなくって、おまけに寒くなってきたし、けっこう苦痛でした。
と思っていたら、道上龍選手が100Rでコースアウトしてクラッシュ、マシンから出られないとのアナウンスが…。安全性に関しては疑問符の折り紙つき?のFISCOだけに、非常に心配です。コースにドクターカーとレスキューカー、ヘリが向かい、必至の救出が行われ、大事をとって東海大病院にヘリで運ばれていきました。太田選手の件が良い教訓になったのか、FISCOの対応は概ね迅速かつ安全性を重視したものだったと思います。 ※道上選手は額とほおの骨折及び顔面挫傷、腰椎の圧迫骨折で回復までに1ヶ月以上、復帰は夏ごろになるとのことですが、心配された下半身の麻痺はないそうです。一日も早いご回復をお祈りします。
【帰路】 彼氏Yの誕生日が近いので、お祝いをしようかと某所一軒家のレストランに予約を入れる。時間が結構あったので、御殿場プレミアアウトレットに立ち寄り、しばらくショッピング(正確にはウインドーショッピング)。「う〜ん、すごいフルコースデートだなあ」としばし感動(笑)。
しかし、この後に大どんでん返しが…。東名で起きた大事故の直後についてしまったため、渋滞で約一時間以上ロスし、せっかくの晩御飯が水の泡!!泣く泣く予約をキャンセルして、我が部屋近くの「牛角」で焼肉を食べる羽目に…。あああ。残念。そして、牛角で満足して、うれしそうな顔してるどっかの誰かさんにさらにがっかり(そういう奴だとわかってはいましたけどね…)。
|