猫の足跡
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うちの関係会社は、月に数回セミナーを開催しています。で、仕事の参考になりそうなテーマがあると我々も少しお手伝いする代わりにタダで潜り込んで受講させてもらっております。
今日、そんな形で受講したセミナーのテーマは「バランス・スコアカード」
まず、バランス・スコアカード(BSC)って何だ?って方に乱暴な解説をすると、
**BSCとは。**************************
1992年に米国のキャプラン/ノートン両氏によって開発された「新経営指標」。
「財務」「顧客」「内部業務プロセス」「学習と成長」の4つの視点について、それぞれ会社が重要とする項目を設定して、その達成状況で経営全体のバランスを見ようというもの。
要するに、「“財務指標”のみでは短期的な視点に偏りやすく、企業経営の良し悪しを判断することができない」という反省から、「財務指標以外にも、中長期的な視点から企業業績の向上に繋がる要素をピックアップして評価しましょう」という提唱であり、設定した指標をブレークダウンして、組織や個人の目標とすることによって、
・組織の末端に要る社員にも、経営改善のために各自が何をすればよいか具体的に理解させることができ、 ↓ ・達成への自発的な行動と、個人と組織両方の成長を促し、 ↓ ・いままで客観的に会社業績への貢献を評価することが難しかった管理部門や非営業部門の評価を適正に行うことができる
というまあ、ありがたい教えなのであります。
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ただね…。宗教の教えは確かにありがたいけれど、実生活で遂行しようとすると非常なる労力が必要であったり、適当にやると全く本旨から逸れて役に立たなくなるように、これも現実にはむずかしいなあ、と。
結局、管理部門の業績評価って相当に無理が入り込むわけで、大真面目な顔をして「“学習と成長”の指標では、社員に必要な資格を洗い出して、その平均取得率を測定します」とか「社内研修受講の効果があったかどうかをアンケートで数値化します」「問い合わせごとの回答までの時間を数値化します」とかコンサルの人にしたり顔で語られちゃうと、「ふへ〜。アメリカ人の好きな“○○を△%アップさせました」って無意味な数字がでてきちゃうヤツね。と片腹痛いわけです。
だいたい、問い合わせから回答までの時間なんていちいちどうやって測るわけさ?
で、こういうのを聞いてると、お客の気持ちがよ〜っく、理解できるわけです。
こいつら頭でっかちが、偉そうに「これをやれば解決できます」みたいな好き勝手言ってるけど、本当なのかねぇ。そんな手間掛けてやる意味あるわけ?
云々。
さらに、現場の人になれば、「外部の業者にそそのかされて、なんだか新しげなこと入れたけどさ、俺達やらされてる身にもなってよ。ただでさえ仕事忙しいのに、その効率化とかいって、仕事増やすなよ」
となるんでしょうね。いや、身につまされます。そして、「信じれば救われるのです。まずは結果が良くなることを信じて本気で実践してください。本気でやらなければ結果は出ません」といわざるを得ない講師の皆さん、本当にお疲れ様です。
それにしても、これを大真面目に実践した某アメリカの「シャーロット市」の公務員様たちはさぞ大変であったろうと。いやあご愁傷様です。
せっかくなので、日本では外務省あたりにこれを採用していただいて、「大臣まできちんと伝わった情報の数が2001年には5%だったのが、2002年には18%まで増えました」とか「国会議員からの口利きで変更した人事異動の率は15%から10%まで削減しました」とか「パスポートを無くした海外旅行者への対応で、2%の満足度を獲得しました」とかやればいいんじゃないかと。
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