猫の足跡
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東京。朝起きたら暴風雨。 幸先悪いな、と思っていたら出発までには止んでちょっとうれしく思う。最近、本当にへこみっぱなしなので、こういうことでも、なんかうれしい。
午前9時。成田空港着。GWとは思えない落ち着きぶりに、SARSと戦争・テロ危険、休み日程の悪さというトリプルパンチの影響うかがわれる。 今回の旅では珍しく、正規安売航空券「JAL悟空」を利用したので、ちゃんとした個人扱いの窓口。JALには珍しく、お姉さんの応対が非常にフレキシブルで感じがよかった。うちの社長が同じ日程でスペイン旅行だという悪い噂を聞いたので、「同じ便に****さんという乗客はいませんか?会社の関係者なんで会うと気まずいんですよね〜」とだめもとで尋ねたら、すぐに調べてくれたりもした。 出国審査も本当に空いていて、過去10数回の海外旅行の中で一番かもしれない。GWだというのに。
さて、今は機内。定刻発でシベリア上空。ツンドラ(凍土)とはよくいったものだ。眼下に広がる氷と雪の大地。自然のままに流れる大河。人の手がまったく入っていないことが1万メートル上空からでもわかる。一度でいいから、自分の足でその大地を踏んでみたいと思う。 機内食は予約しておいたベジタリアンフード。軽くて絶対にあとで体にいいと思う。もたれないし負担がないはず(普通の機内食はヨーロッパ便だとブロイラーになる)。でも、満足かと聞かれると…う〜。かなり物足りない。お腹が、ではくて目が…。 JALは思ったよりも外国人乗客が多かった。これも前述3要因だろうけど。日本人って慎重というか臆病というかマスコミの煽りに弱いというか、ねぇ(笑)。 一方、NEXで乗り合わせた家族連れみたいなのも疑問だけれど。どうみてもお気楽観光ムードで「地球の歩き方 シンガポール編」を持って、アラブ人街だのインド人街だのに行こうね〜と楽しそうに話していたからなぁ。人ごみは止めたほうがよいのでは?やっぱり、その辺の判断力(安全・危険)が薄いんだなぁ。お気楽系の人は明らかにやばそうな所にも平気で準備なく行っちゃうし、慎重系の人はなんでもかんでも一緒くたにしてヒステリーに反応するのだ。この体質何とかならないかしらん? で、お隣は、韓国からの女の子二人組。学生さんっぽい。アート系が好きみたいでどうやらお勉強に行くらしい。でも、英語あんまりできないみたいで、大丈夫かな?日本人にはない、明朗でハッキリしている感じが好ましい。何より、今時の若者にみられない、「しつけをきっちりされている」コという印象。いいなあと思う。 空の旅 11時間45分。いいかげんに飽きたところでやっとロンドンはヒースロー空港に到着。思えば10数年前、初めての自力海外旅行はここが起点だった。ただ、そのときは単に入国しただけなので、乗り継ぎのある今回のほうがちゃんと空港を利用している気がする。乗り継ぎなのにぎちぎちのセーフティーチェックを通らされるのは、さすが戦争当事国。しかも上着もみんな脱いでX線に通さなくてはいけない。当然、混雑する。イースター休暇からの戻り組も多いのか、今回はじめて渋滞にはまってしまった。 それにしても、結構、SARSを気にしている人が多くて、並んでいる間に袖やハンカチで口元を覆っている人がかなりいた。げほげほと咳込んでみたいといういたずら心がむくむく沸きあがったものの、大事になるといけないので、こらえる。想像するとなんだかにやにやしてしまった。
空港での待ち時間が長い。買い物がしたいわけでもないし、しかもユーロ圏ではない。一応免税店は一通り回ってみたけど、15分もしたら全て見終わってしまった。持ってきた雑誌もほとんど機内で読み終わってしまったし。よって、ベンチでこの文章を打っているのだが、さすがに日本時間の午前2時。機内で2時間ほど寝たとはいえ、座っていると眠くてあくびを頻発。早く飛行機に乗りたい。 スペイン気質なのか、同じ時間帯で出発するほかの飛行機はみんなゲートが決まるのに、英国航空と共同運行のイベリア便だけはいつまでたってもゲートが決まらない。で、ようよう出発の30分前にゲートの案内があり、搭乗。中で出たサンドイッチが非常においしかった。英国航空のハンドリングだからくそまずいと思ってたのに。
機内では必死で眠るもわずか2時間のフライトで到着してしまったので睡眠時間正味30分というところだろうか。なんだか早くもぼろぼろでバルセロナの空港に降り立つ。 入国審査はむちゃくちゃいいかげん。1便をおっさんひとりでまかなうシステムらしい。ほとんど素通りで、そこを抜けたあとが長い長い…。一応、案内のとおりに進んでいるつもりなのに、いつまでたってもバゲージクレームに着かない。おまけにスペインは直進の矢印が日本と違い下向きなのでものすごく不安になる…。が、とりあえず進んでいったら、なんとかたどり着いた。案の定、荷物はなかなか出てこない。やっと出てきたと思ったら、3つ4つだけであとはまた小休止。夜なのにシエスタとってんじゃないってば。待ちながら立ったまま寝そうになってしまった。あたりまえだ。日本時間なら午前5時30分。徹夜じゃ。
やっと荷物を引き取って乗ったタクシーはやさしそうなおばちゃん。「***ホテルに行ってください」という私の言葉は理解してもらえたが、そのあと聞き返された内容がわからない。どうも「***通りの?」と確認されたようなので、メモの住所を見せると、うなずいてくれた。 さて、到着。おばちゃんが、ちゃんと宿の前に横付けしてくれたのに、その宿は工事中だった。ちょっとがっかりしながら中に入ると、仮設のフロントにおにいちゃんがぽつんと座っていて、「通りの斜め向かいにある別のホテル***に泊まってくれ」と言う。「そんなの聞いてない」と文句を言いつつも、某ホテル案内のサイトで米国人が「レストランが工事中で朝ご飯は提携している別のホテル***まで歩かされた」と文句をぶちまけていたのを思い出し、「さては、工事が拡大したんだな」と思う。やはりスペイン人超いいかげん。
部屋はすごく狭い。シングルベッド1台だけ。で、なぜかバスルームだけは日本の高級ホテルなみの広さと快適さ。どうも、ほかの部屋と同じつくりで、ベッドが1台で狭い分部屋が縮小されている模様。真夜中の到着だし、格上(3→4つ星)のホテルになったし、どうせ明日朝すぐ出発なのでめんどくさいし文句を言うのはやめる。 部屋で風呂に入り、寝巻きに近い服にスリッパで念のための確認…と外から鍵をチェックしていたら、大事件!!鍵が開かない。カードを読み取り機にかける仕組みなのだが、鍵が開いている音はするのに、ノブが回らない。むちゃくちゃ焦るが、何度やってもだめ。さっきは簡単に入れたのに…と仕方ないので、ひどい格好のままフロントに行ったら、フロントは若いオニイチャンとマネジャー風おっさんが大バトル中。帳簿を指差しながら、「これがおかしい」「ちゃんと書いてあるじゃないですか」「なんで***なんだ」と身振り手ぶりペンを放り出してみたりああでもないこうでもないと議論白熱。かろうじて「鍵が開かない」と声をかけるも、「もう一回ちゃんとやってみて」と冷たい。「1回はちゃんと入れたのに、次はだめだった」と食い下がると、「わかったから、ちょっとまっていろ」と言って、またバトル再開。あきれて見ていたら、しばらくして、別のおにいちゃんが来て、その人に言ったら一緒に来てくれた…が、肝心の鍵は…。ノブをまわすんじゃなくてただドアを押せばよかったのね〜(大恥)。すべてを眠りの足りないオツムのせいにして、そそくさと戻った。
寝る前に家に連絡しようかと思ったが、日本は日曜の朝7時前なので、さすがに遠慮してネット経由を試してみる。つないでみたら、すぐにできて拍子ぬけ。着いたよ連絡のあと、明日の天気予報やバレンシアの試合予定(日曜の午後5時からだった。明るいうちでうれしい)を確認して寝る。泥のように眠った。
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