妄想暴走オタク日記
風呂から上がった頃には、二人共すっかり疲れ果ててしまっていた。
多少の無理をしてしまった気もするから、特にトクマはぐったりふらふらしていて、やり残した片付けや、その他もろもろをする気にもなれず、リビングのソファに横になってしまう。革張りの大きなソファは夏でもベタつかず、肌に触れる部分が気持ちがよくて、じっと目を瞑ると、そのまま眠りに落ちてしまいそうだった。 喉に渇きを覚えて、冷蔵庫からミネラルウォーターのペットボトルを取り出したコウムラは、そんなトクマの様子を何となく、遠目から眺めてしまう。 航海から帰ったばかりで疲れているのは同じだろうトクマが、それでもこの家の主であるコウムラを気遣うばかりだったから、何となく収まりが悪くて一緒に入ろう、と言ってはみたものの、広い湯船に二人並んで浸かるだけでは終わる事がなく、結局、何となくそんな感じになって、何となく長風呂になってしまった。 それ自体は初めての行為でもなかったのに、コウムラの腕の中で身じろぎをしたトクマは、「だって、あの時は俺、本当に意識が混乱していたから」と照れくさそうに笑って、だからこれが初めてのようなものなのだと、処女のように頬を染めた。トクマのそんな初心な反応が愛おしく思えたから、コウムラ自身も逸る気持ちでトクマを抱きながら、妙に冷静な頭の片隅で、あの時は草むらで、今度は風呂って、まともにしてへんなぁ、と苦笑した。 薄々コウムラにも分かっている、たぶんコウムラにもそれほど、余裕がないという事なのだろう。 そんな気持ちは初めてかも知れなかった。目の前にいるトクマを大切に思う、大切にしてやりたいと思う、それを端的に愛情と呼んでいいのかどうかは、まだ迷う事もあるけれど。それでも航海に出る前より帰って来た今、コウムラの中で確実に何かが変わっていた。 だから今、ソファに横たわって、そのまま眠りに落ちてしまいそうなトクマにゆっくりと近付いて。うとうとしながらも、遠い意識で現実を忘れていないらしい、「片付けは明日やりますから…」と、寝言混じりに呟いて、一度は畳んだタオルケットを引き寄せて、寝る体勢に入ろうとしたトクマの肩を揺する。 「トクマ。そこで寝んな」 やや力強く揺さぶられて、のろのろとトクマが目を開く。心地よい疲れに導かれて、眠たげなトクマの目がとろんとコウムラを捉えた。 「…?」 まだ何かあるのかと半分眠った脳で考えようとするトクマが、正解に辿り着くだろうとも思えない。たぶんコウムラは自分でも思う以上に優しい顔をして、トクマに微笑みかける。 「今日からリビングで寝るんは禁止や」 じゃぁ、どこで寝ればいいのかとトクマが考える前に、強い力でコウムラに引っ張られた。ソファから引き摺られて、ぐらりとコウムラに体ごと倒れこんだトクマを荷物のように抱えあげたコウムラは、思いのほか重い事に顔を顰めてみたものの、何とか落とさずに歩き出す。その、コウムラの歩く速度や僅かな揺れが気持ちよくて、もうトクマは、考える事を放棄した。 リビングから廊下に出て、そう遠くはない二つ目の扉を開ける。そこはコウムラの私室で、この家の掃除を一手に引き受けるトクマも、その部屋にだけは入った事がなかった。だから、部屋に足を踏み入れた途端にそこに充満する「コウムラ」の匂いを嗅いで、その鼻腔をくすぐる初めての匂いに、頭ではなく体で、トクマは気がついた。 「…コウムラ…さ…」 けれど、反応するだけの気力が残っていないトクマがぼんやりと呟くのに、また薄っすら笑ったコウムラはもう、何も言わずにベッドサイドまでやって来ると、静かにトクマを横たえた。そこにあるキングサイズのダブルベッドはコウムラ一人が眠るには広々としていたから、トクマが増えても全く問題はなかったのだけれど、その場所まで深く入り込んだという変化を、トクマが改めて認識するのは明日以降になりそうだった。 今はただ、柔らかいマットレスや滑らかなシーツが心地よくて、幸せに眠りに着く。 一度リビングに戻ったコウムラが全ての電気を消した後、部屋に戻って同じベッドに潜り込み、くるくると跳ねるウェーブに指を滑らす頃には、トクマは深い眠りに落ちてしまっていた。
▼3:44
ぎゃー。これだけ書いて一旦送信ってすっごい寒い…! けど書きかけの小話を書き終えたらこんな時間なので、とっとと寝ます(笑) 一応、いつだったか日記の続きなんですが、風呂略はやっぱり面倒だったので省略しました(ぇ)
横担のAさんのような幸せな「二人の為にある」世界を意識して書いてみました…だから寒いのはワザとなんですよ!とか大人げない言い訳をしつつ(笑)
▼▼23:37
一日二回も日記書くの久し振り…。
と、言う訳で言い訳たらたらのコウトク小話。 雛担のAさんからコウムラ×黒トクマメールとか頂いて、東/海/テ/レ/ビ並の昼メロきゃーっと喜びつつ(笑)でもわたしはやっぱりRABUに溢れるコウトクが好きかなぁとかって。終盤的には不穏を予感させがちなんですが、今年に限りわたしは中日に見た幸せ(を予感させる)コウトクの雰囲気に拘りたいかなぁ。あの頃まだ、トクマちゃんがそれほど壊れてなくて、コウムラもジャイアン化してなくて、それでいて出航のシーンが不安もあれど、それ以上に希望を期待していた、そうやって横並びに並んだ二人の雰囲気が何だか健気でいいと思ったから、わたしの中ではそこで止めたいです(笑)。壊れは壊れでいいんですけどねー。今は幸せモード、という事で。横雛ではこうは行かないRABUっぷりが書いていてほんっと楽しいので(笑)これ、まだまだ続き書けそうだもん…いや、誰も待っちゃぁいないが。いいの自分が楽しいから。
でもまぁ、昼メロは昼メロでいいと思うんですよ。 黒トクマは白トクマがコウムラに好意を持っていると読み取ってコウムラを誘い、コウムラはあくまで白を愛してるんだけど、違う人格と分かって捌け口的に黒を抱くとすれば、コウムラも随分と狡いと思います。全てを知った白は随分と傷つけられて、絶望するんだろうなぁと思えば、ほら、東/海/テ/レ/ビもビックリ(笑)
って、えーと。何か書こうと思ってたんだけど、忘れてしまいました…わざわざエディタ開いたのになぁ。
いつもありがとうございます、拍手お返事。
8/28 ◎23時/赤倉さんへ ●こちらこそ妄想小話に毎度お付き合いありがとうございました。赤倉さんには是非見て頂きたかったんですけど…だって主役が雛に思えるのはどう考えてもわたしのせいですから(汗)。萌えと燃えに溢れた夏、まさに!です。今年も本当に楽しかったので、臨場感だけでも伝わったのなら嬉しいです。粗筋はまた個人的にお伝えしますね(笑)!というかやっと落ち着いてメールを返せます…いつもすみません;
8/29 ◎7時/そうさんへ ●丸キャラのそうさんはうっかり名前の明記がなかったんですが(笑)そうさんですよね…?(違ったらどうしよう) 楽の晩はこちらこそお疲れ様でした!相当酔うてはりましたが大丈夫でしたか?酔った勢いでだいぶ告られましたが(笑)素面のわたしは結構恥ずかしかったです(シャイなので!)。いやでも、か〜な〜りガッツリ語れて楽しかったので!しかし語りすぎて楽公演の印象が薄まるばっかりで、確かにわたしも美人トクマ位しか…(それもどうよ)。マジ語りも本当に為になったので、こちらこそ次もまたぜひvv
そういえば今回(も…だな、既に)サマスペのまともなレポをしていない気がするんですが、それは追い追い機会があればやってみたいかと…夏はショータイムへの興味が薄れるわたしでも(芝居と比べて、という意味ですが)ちょいちょいオッと思うことはあったので、覚えているうちに書き記しておきたい(笑)。あとは今年は結構色んな人と語り合えた気がするので、それは本当に大満足の夏でした。特に楽前日と楽日はそれぞれ5時開店から終電コースでみっちり各6時間?語り倒したのが有意義でした。26日はMさんとコウトク語りの筈が横雛をマジ語りしてたし(おかげで大事な電話をスルーして後で怒られるはめに)、27日は何か色々告り合ったりしてましたかね(笑)。個人的にはY見さんに「利美さんの書く雛はカッコイイ」と言って貰えたのがすっごい嬉しくて!「だって、男ですよ?」とウザく力説してすみませんでした(汗)。出来るだけ等身大のあの人を書きたいと思っているので、年相応の(ちょっとホ略の)一人の男として感じて貰えているのなら嬉しいなと思います(でも実は言われて自分の書き物を少し読み返してみたんですが、どこらへんが格好いいのかサッパリ分かりませんでした…)。でもやっぱり横ちょも兄貴も格好いいらしい。うーむ、そこは修行だ。
そういえば、どうでもいいですが休み明けに会社の同僚にまで「(私)ちゃんはエスキャラだよね!」と言い切られてしまいました…(それって)。違うんだ、わたしの周りにエムキャラが多いだけなんだ…たぶん。そんなわたし、数子的には水星人の+らしいんですが、来年から大殺界の入り口なんだってさ!うわぁ。
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