妄想暴走オタク日記
「ほな、まずは今まで通りに作ってみて下さい」
キッチンに立ち、仁王立ちでそう言った錦戸に、村上は「え?」と問い返した。 「作るん?」 「当たり前でしょ。まずは食うてみな、どこが不味いんか分からへんやん」 食べる前から不味いと決め付ける錦戸の言葉に、不満を言う余裕はなかった。そもそも自分から頼んだのだし、今更不味いのは分かっている。それをどう美味しく作り直せるか、錦戸にかかっているのだ。下手な事を言って機嫌を損ねる訳にはいかない。 「わかった。ほな、見てて」 多めに用意してある材料を使い、手早くカルボナーラを作る。その様子をじっと見ていた錦戸は、出来上がったカルボナーラを一口食べ、「なるほど」と呟いた。 「まず、村上くん、オリーブオイルをケチってるでしょ。ちゃんと入れんと美味しくならないんですよ。あと、麺を入れる時のフライパンの温度が高すぎ。で、しかもそのまんま卵黄とチーズを和えたでしょ?ようある失敗例やけど、それじゃいり卵パスタになってまう。いったん火口から離すか、ボウルに移してから混ぜんと」 「…もう一回、いっこいっこ言うてくれるか」 一気に説明をされてまるきり真顔になった村上に、錦戸はクスリと笑う。メモを取り出して錦戸の言葉に耳を傾ける村上は彼らしい一生懸命さで、その姿が何となく、年齢を忘れさせるような。 「大体理解出来ました?ほな、早速やってみましょうか」 「ん、うん」 一連のアドバイスをメモに取りきった村上は、書き散らした文字を再度眺めて、よし、と呟く。別に失敗したからって死ぬ訳でもなし、この必死感は何だろう、と錦戸は思った。 「じゃぁ、まずはベーコンを炒めるところから。オリーブオイルは80ccね」 「80?」 「やって、2人分でしょ。俺も食うから」 にこり、と笑えば毒気を抜かれた村上が、几帳面に80ccを量ってフライパンに入れた。自分がついているのだし、もう失敗はない筈だから、それは錦戸の自信の現れであり、村上に対する気遣いでもあった。 「で、炒めてる間にパスタを茹でる。だいたい7分くらい。塩はちょっとでええよ」 言いながら、フライパンにかかりきりの村上の為に、自身でパスタを鍋に入れる。そうしながら凝り性の錦戸らしく、拘ってわざわざ用意したレッジャーノチーズを削る。その頃にはペーコンを炒め終え、茹で汁を加え終わった村上が、代わりを買って出たので、任せる事にした。彼の仕事を横取りしているようでは元も子もない。 「パスタそろそろええかな?」 「そやね、ほなフライパンでさっと炒めて、味見してみて。それから、今回はレシピ通りにボウルに移そか?前もって湯煎しておくねんで」 台所に男二人が立ち並んで。フライパンと鍋を前に、だんだんとカルボナーラの形になっていく。指示どおりにてきぱきと動く村上を眺めながら、錦戸は、不思議な気持ちになった。 恋人の条件として、料理上手である事を望む錦戸は、けれど必ずしも「上手」である必要はないと思う。要はやる気の問題で、努力さえしてくれれば自分も手伝うし、だからこんな風に協力しあって食事の用意をする、それこそが理想の恋人像なのだった。今、その相手が村上である事に軽い…いや重い眩暈を感じてみても、まんざらではない自覚をしている。 何やろ、この幸せ空気。 そう感じている自分に驚く。思いのほかこの時間を楽しんでいる事。真剣にパスタと向き合う村上を、素敵だと思う事。そう考える理由に、ふと思い当たる。 「亮。出来たで!どうかな?」 思わず、物思いに耽っていたらしい。村上の弾んだ声に我に帰って顔を上げると、目の前にはほかほかと湯気をたてるカルボナーラ。見た目もばっちり、期待を抱かせるビジュアルにわくわく顔の村上が、「味見してみて」と一口分フォークに絡めたパスタを差し出してくる。躊躇う事無く錦戸は、その一口を口に入れた。そして飲み込んだそれは、嘘偽りなく、 「…すごい。完璧や」 指示通りとは言え予想以上の出来栄えに、素直な感想を述べれば、瞬間に破顔した村上が、 「ホンマに?!めっちゃ嬉しい!」 無邪気に喜ぶ姿に、その表情に、何となく胸が詰まる。例えばそれが、目的を度外視したものだったとしても。
ただ喜びに溢れて、ただ幸福で。目の前で笑う村上が、全てだと思った。
▼22:55
やっとフ@ンドを見ました〜(遅)! ちょちょちょ雛ちゃんカッコいいよ!何だあれ!と友の車の中で大騒ぎさ…何だあれ夕陽をバックに!影射してるし!しかもそれを忠義君がダメ出し(笑)!そして横ちょの「本来、カラッと晴れた朝が好きなヤツ」は例の通信の心理テストにかかっているのだろうか…と無駄に勘繰ってみる。が、よく考えたらあれは雨上がりだった(どうでもいい)。そんなん言われて「ぎゃははは!」と遠くから大声で(たぶん)笑っている雛さんが大好きです、それはもう!
好きと言えば丸ちゃんのインタビューにももりもり乱入して(っつか基本乱入しすぎでしたよね…声デカいから拾われやすいだけかも知れんが)「メンバーから見たマルについて言いましょうか?」とか、聞かれてもいない事をべらべら喋るあの人も大好きです。そんな雛さんの言うところのマルちゃんが「すごい優しく」て「人に気ぃ遣う人」で、で「気ぃ遣いすぎた後はめっちゃ疲れてよく移動で寝てる」っていうのが、何かもう、これ以上ないくらい優しい丸ちゃん像って気がして、悔しいけどいいなーと思いました。ズバリそう言いきる雛さんもズルいなぁ。
あとは、「でも実際、こいつは冷静でいようとする」とかって兄貴に「こいつ」呼ばわりされてる雛さん(笑)。そうは言いながら「でも亮が先に言ってくれるから助かる」とか言われて嬉しい兄貴(予想)。何だかなー亮雛ムカツクな(笑)。とか思いながら思い出してやっとパスタの続きを書いてみました…今さら日記小話。やっと次で終わり!やっと書きたかった所まで辿り付きましたよ!兄貴は予想外に妄想花開いちゃいましたが、案外兄貴は妄想族だと思ってます(勝手に)
や。それにしても兄貴にして「冷静沈着」といわれる雛像…奥が深い。素敵だフレ@ド!
ちなみに一番オオーッ!とテンション上がったのは「あれがマルの優しさやから」@昴でした!カッ…(溜め)コイイ…!反面「行こうでヒナ」はオタクとして恥ずかしくて、何ていうか、面には「リアル」と絶賛されて尚、公認同人誌にしか見えないのが不思議…格好よすぎるからだろうか(笑)
おっと今日は絶賛フ@ンド語りで終了。 あ、あと渋谷自身も素晴らしかったですね!!いいなぁ昴担(純粋に羨ましい)
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