妄想暴走オタク日記


2006年11月18日(土) 7食目。

 「また、カルボナーラ?」

 キッチンの奥に見え隠れする村上に向かって、横山は声をかけた。すると忙しなくフライパンを操りながら気持ち振り返った村上は、半笑いの笑みを浮かべる。
 「この前、不味いカルボナーラ食わしてもーたやろ?リベンジやないけど、もう一回ちゃんと美味いやつ食わしたろ思って」
 「…」
 村上の言葉に、今度は横山が黙り込んでしまう。その空白にまた少し苦笑いをした村上は、ごめんなぁ、と言った。
 「ヨコは何も言わんかったけど。俺に気ィ遣って言えへんかったんやろ?」
 「別に…」
 そういう訳じゃない、と取り繕うのは止めた。今更、村上にはお見通しのようだったから。横山のごくごく僅かな反応を見て答えを読んだ村上は、B型メインの性格に内在するA型の繊細さで、横山に気を遣わせてしまった事を申し訳なく思ったらしい。そして生粋のA型である横山は、村上以上に繊細に、そんな村上の内心を省みた。
 あの後、自分以外のメンバーにも食べさせる機会が続いたというから、その時点で横山の反応も自ずと知れてくるのだ。よかれと思ってそうしただとか、深く考えた訳ではなかったけれど、かえって村上は気にしたかもしれない、と今更横山は思った。
 どうもおかしな話なのだけれど、自分達はかえって互いに気を遣いすぎる事があるように思う。それは思い遣りと言うほど分かりやすいものでもなければ、初々しいものでもなかったけれど。少なくとも横山にとって、相手を思ってそうした事がかえって裏目に出る確率は、村上が一番多い気がした。
 「お待たせ」
 ぼんやりと考え込んでいるうちに、村上の声が落ちてきた。目の前の村上の、手にした盆の上に皿は二つ。自分も食べるつもりらしい。それは今度は大丈夫、という自信の表れのようにも見えた。
 「今度こそ大丈夫やから。騙されたと思って食うてみて」
 至近距離で鼻腔をくすぐるのはチーズのいい香りで、ふぅん、と小さく息を吐いた横山は、脇に置かれたフォークを手に取る。一口分を絡めて、すぐにパスタを口に運んだ。
 「…」
 もぐ、と口を動かした横山の動きが一瞬止まったので、村上はどきりと胸を高鳴らせたのだけれど、それ以上の反応を寄越さないまま横山は、やはり黙々と口を動かす。
 淀みない動きで一口、また一口。強いて言うなら、気持ち前よりその動きが早いと感じるくらいだっただろうか。目が合った村上は随分と不安げな顔をしていた筈だった。その証拠に、「どう?」と口を挟む事も出来ない。
 横山は、普段から食べるのが早いほうだった。あっと言う間に皿のパスタが横山の腹に消え、静かにフォークを置く。出されたお茶を飲み干して、やっとひと息。
 そして、
 「うまかった」 
 ぼそり、と一言だけ。
 横山は、それ以上の具体的な感想を言おうとはしなかったけれど。ただそれだけ、飾らない一言を聞いた村上は、内心で「うわぁ」と思う。
 「…やばい。めっちゃ嬉しい」
 内心で呟いたつもりが声に出てしまったらしい。ストレートな反応に、横山がちょっと笑った。
 「ホンマに?ホンマにそう思う?」
 「俺は嘘は吐かん」
 「いや、今までにいっぱい吐いたやろ」
 こんな時でも条件反射で出たツッコミに、また横山が笑う。
 「まぁ、今のはホンマや。信じとけ」
 「そっか」
 それでやっと、ほっ、と胸を撫で下ろした村上が、思い出したように自分の分を一口食べた。
 「どぅや?」
 「美味い」
 「せやろ」
 自信満々な横山の言葉に素直に頷いて。まるで立場の逆になった自分達には気付くのが遅れた。まともに美味しいパスタの味に満足をして、教えてくれた錦戸に感謝をして。それから、
 「次はヤスに食わしたらな」
 「ヤス?」
 「そう。不味いのに全部食おうとするから、次また美味いの食わしたる!ってやっと納得させてん」
 「ヤスらしいわ。案外頑固よな、アイツ」
 「そうやねん。泣きながら食うか?普通」
 「はは、」
 楽しそうに笑った横山は、ふ、と表情を止める。ちらりと視線を上げて、机を挟んだ村上と目を合わせた。
 「そのうちアイツにも食わしたり」
 言った横山の言葉を聞いて、村上も微笑む。都合6人のメンバーの感想を聞いて、あともう一人。
 「そやな。あの子もパスタは好きやったから、きっと喜ぶわ」

 それまでにまた、残りのメンバーにもう一回ずつ試食をさせて、とびきり美味しいカルボナーラを食べさせてやろう、と村上は思った。


▼14:27


毎日寒いですねー。本日お休み。
予定は夕方からなのでぬくぬく寝ていたら、全体的に寒くて寒気か風邪かと焦ったんですが、要するに気温そのものが下がっていたらしい。いや、最近遂に電気ストーブをつけたらあったかくてついついうたた寝続きなので、いつか風邪を引くんじゃないかと…。とは言え本当に風邪は引かない体質なんですけどねー。昔から、健康だけが取り得です(笑)

さてさて長々引っ張りましたがパスタ話やっと終了。
要するに、引っ張るほどのものではなかったという…ちょこちょこ反応も頂いていたんですが、ありがとうございました。気にして頂いて嬉しかったですー。基本、無反応でものんびりやって行きますが、反応が貰えるのはやっぱり嬉しい。倉雛かそうかよしよし、と思います(笑)

さっき、適当にTVを点けていたら野豚の再放送をやっていて、ついつい見てしまったんですがこれ、面白かったんですねー。放送当時は全然興味がなくって、というかいじめの描写があんまりなー、みすみす気分悪くなるのもなーと思って見なかったんだけど、これちょっと続き見てみようかなぁ。でも土曜昼間なんて家にはいないよ…。

続きで本当に久っし振りにおーそれも見たんですが、あんまりなデコ全開に昴がいるのかと思ったくらい(笑)。しかも今回赤ボーダーで、どこまで昴が好きなんだって話です。そして久々に見たら以前にも増して雛さんの立ち位置っていうの?隙を埋める感じが本当に後輩芸人のようで何となく苦笑いもしつつ。なんちゃってはいいと思うけど、リアルになりすぎたら今度は笑えないと思うので、その辺り、微妙なラインを超えないで頂きたいものです。





遅くなりましてすみません、拍手お返事。

11/10
◎23時の方ヘ
●早々食いつきを頂いていたのに遅くなってすみません。大阪メロディーとD誌のネク、同じなんですねー。代わる代わる見てみたんですが、いまいち画像が鮮明でなく…でも、今日のおーそれでもいつものをつけていたので、たぶん蜃気楼を見たんだと思います(笑)ありがとうございました!

11/13
◎23時/もちさんへ
●わー!フジタツ舞台に食いつきをありがとうございます!お勧めですかー!マジで一度見に行きます!っていうか、付き合って下さい(え)

11/14
◎0時/赤倉さんへ
●赤倉さん、こんにちはー。倉雛、いい感じですか?自分ではもう、微妙すぎてよく分からなくなってます。わくわくして頂けるほど起伏がないんですが、もう少し進んでくると思いますのでしばらくお付き合い下さいませvv 実はここまでで全く書きたかった所まで進んでいないという…だから、これからなんです(笑)。坊主は昨日のミニステで披露されたらしいですが、御覧になりました?関西では見れていないので今だドキドキワクワクのままですが(笑)。赤倉さんもお忙しいようですが、お体ご自愛下さいねー。

11/17
◎10時/keiさんへ
●パスタ話続編、こちらこそ「ありがとうございます」にありがとうございます。まさか感謝をされるなんて思っていなかったので嬉しかったです。予想されていた通りの再見でしたが、メンバーは予想通りでしたでしょうか(笑)?倉雛もまだしばらく続きますので、よろしければお付き合い下さいね。keiさんもお体ご自愛下さいませ。ありがとうございましたvv

11/18
◎11時の方ヘ
●裏ページ、入れませんか?今までも何度かお問い合わせを頂いたのですが、恐らく2問目の綴りが誤っているのではないかと思います。公演名で検索したら英単語も出てくると思いますので、それでも入れない場合はお手数ですが、メールフォームからお問い合わせ頂けますか?流石にここには書けませんので、よろしくお願い致します。



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