やはり、人間というのはフィクションを必要とする動物なんだ。まさに、その一点だけが人間と他の獣を隔てるものなのかもしれない。(p.55『待っている人々』)
「(前略)物語は物語自身のために存在するの。物語は一人で歩いていき、次々と新しい伝説のベールをまとっていくの。(後略)」(p.213『出雲夜想曲』)
――見つかった。 ――何が? ――永遠が。 ――海と解け合う。 ――太陽が。(p.291『虹と雲と鳥と』)
「(前略)もしかするとあたしたちはまたどこかで会えるかもしれない――また別の世界で――別の三月の国で――」(p.428『回転木馬』)
恩田陸:三月は深き紅の淵を,講談社.
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