ブックス
DiaryINDEXpastwillaboutbk1



2002年04月01日(月)   池袋ウエストゲートパーク


2、3年前の同タイトルのTVドラマの原作。(長瀬くんと窪塚くんが出ていたと思いますが、他の方は覚えてない…。)
この本は短編連作集なのですが、ひとつひとつの話がいろいろな社会問題(ドラッグ、売春、etc)を含んでいる。なのにドロドロでイタイだけの話にならず、さらりチクリと表現されているので読み易い。しかも考えさせられる。
池袋で生きている少年たちの日常。暴力、犯罪がありふれた日常。主人公(マコト)もその中で生きているが、どこかほかの少年たちと違う。で、ぶっちゃけた話、とってもその姿がかっこいい。(普段は、家の青果店の店番をしているってとこもちょっとおもしろい。)他にも個性の強い脇役がぞろぞろ。ただ群れているのではなく、ちゃんと彼らなりのルールがあって、学校なんかよりもずっとそのルールを遵守し、その中で横のネットワークを複雑に構築している。ちょっと見方が変わりました。
余談ですが、話の中で出てくる"Gボーイズ"というグループ(チーム?)のGって何の略でしょう。ストーリーから考えてギャングかな、とも思ったのですが、ギャングって言葉、もう死語か?



 ストリートはすごくおもしろい舞台で厳しい学校だ。おれたちはそこでぶつかり、傷つき、学び、ちょっとだけ成長する(たぶんね)。街の物語には終わりがない。
 だから、おれもさよならはいわない。いつか、どこかでまた会おう。


石田衣良:池袋ウエストゲートパーク,p.359,文藝春秋.






ゆそか