ちょっと前に大ブームだった(今も?)陰陽師ものですが、ブームに遅れてのったわけではなく再読。(言い訳)岡野玲子氏のマンガ「陰陽師」の原画展に先日行って来たので、再び自分の中で燃えるものがあったので。 これは前述のマンガの原作なのですが、もうすでに別世界を創ってますからね。こちらとあちらでは。別個のものとして十分楽しめます。でも、共通する点が、晴明と博雅の掛け合いの妙。間がよいのですよ、とっても。
「なあ、晴明よ――」 博雅が言った。 「人とは、いつか、死ぬのがよいのだな」(略) 「おまえは、優しい漢だな」 黙っていた晴明が、ぽつりとつぶやいた。
夢枕獏:陰陽師,p.329,文藝春秋.
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