恋愛なんて、相手が逃げ出すか、自分が逃げ出すか、その根比べだと思っていた。目の前にある感情を諦めるまでの勝負だと信じていた。だけど、それは誤りだった。どちらの情熱が沸点に達するかまでの問題で、どちらがその熱に耐えきれなくなるか、の間違いだったのだ。和泉桂:微熱のカタチ,p.290-292,講談社.