ブックス
DiaryINDEXpastwillaboutbk1



2002年06月03日(月)   紫嵐 《Violet Storm》 R/EVOLUTION 2nd Mision


<革命>シリーズの第2弾。すみれ(フィアルーカ)ちゃんの登場。これでやっと、鉱物シリーズとつながりましたね。
鉱物シリーズ第1作でサ様がすみれちゃんを拾って、このシリーズ前作でサ様は亮司を勧誘(口説き落と)して、で、今回はすみれちゃんが鳩を口説いてますね。なんかすごいことになってますが、はたして何人この調子で同志(という名のサ様の手足)を集めるのでしょうか。
それにしてもすみれちゃん、この時点ではおそらく10才前後のはず。その年にして、あの頭のキレ・回転の速さ、人を魅了する言動。すげぇです。
今回は、カンボジアから幼い頃にボートピープルとして日本に渡ってきた鳩が主人公。一応、ちょっと前のあの残忍なカンボジア政権のことは知っていましたが、この話を読んで、あれが現実にこの世界であったことなのだ、と改めて感じました。小説の中に書かれているものの、あの政権が国民に対して行っていたことは事実。それを思うと、人間って怖いですね。
祖国を捨て逃げてきても、日本でも差別を受け続ける生活。彼らのように辛苦の中で生きてきた人間にとってみれば、日本人の生活はただぬるま湯に浸かっているようなものとしか感じられないでしょうね、きっと。<革命>起こされちゃっても仕方ないです。



「春になったら、この街に嵐を起こそうよ」
「嵐だって?」
「そう。この街に、いままでなかったような強い風を吹かせるんだ。――僕らの嵐をね」(略)
鳩は感じた。
俺の居場所は、彼が起こす嵐の中にしかない。


五條瑛:紫嵐 《Violet Storm》 R/EVOLUTION 2nd Mision,p.305-306,双葉社.






ゆそか