月のシズク
mamico



 電話の向こう側

ひさしぶりに親友から電話が来た。
なんでもパソコンが完全にクラッシュして使い物にならないらしい。
お医者さんなので病院にいるときは携帯の電源を切っていることが多く、
なかなか繋がらない。バリから元気に(ふやけて)帰ってきました、
との連絡もまだできていなかった。

「で、さぁ・・」といざ本題に入ろうとしたとき、「ちょっと待って」
と声が返ってくる。当直室の電話にコールが入ったようだ。
「はい、えっ、どの部屋の患者さん?わかりました、すぐ行きます」
電話口に戻ってきた彼女の声がやや緊迫気味になる。
「まだ話したいことも、聞きたいことも聞いてへんから明日改めるわ。
ほなちょっと行って来る」と回線は切られた。

電話の向こう側にいる彼女を想像して、私はなんだか嬉しくなる。
もう立派なお医者さんだ。すごくかっこいい、と人ごとながら自慢に思ってしまう。

・・・そして今夜、私は彼女からの電話を待っているのだが。。。。



2001年09月02日(日)
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