 |
 |
■■■
■■
■ 春の病
朝、目覚めたときから、夜、眠りに堕ちるその瞬間まで、 コンスタントに睡魔が私を襲ってくる。同じ密度で、同じ速度で。
足元からずりずりと、というよりは、後頭部に白い膜が張るかんじ。 身体が重だるく、自然と瞼が垂れ下がってくる。 食べるのも、歩くのも、考えるのも、しんどい。 私の中で眠りが、黴のように増殖してゆく。
毎年、桜が咲く頃に必ず訪れる、春の病。 抵抗力もなく、思考力も低下し、倦怠感に包まれる。 まだ、冬の眠りから目覚めたくないのだろうか。
夜の闇に、白い桜がぽんぽんと咲いておりました。 折り紙で折った小手鞠のような白い花が、風にゆらゆらと揺れる。 夜の桜がいちばん好きだ。 春の病を麻痺させる、妖艶な白い女よ。
2002年03月18日(月)
|
|
 |