月のシズク
mamico



 赤いランプの告発

夜遅く、メールの着信を示す赤いランプが、闇の中でチカチカと点滅する。
「再発しちゃいました。今、病院です」の文字。
わたしは立ちすくみ、怯み、心を痛める。オーマイガッドだ。

ちょうど一年前、彼女は倒れ、入院した。
知らせを聞いて会社を抜け出し病院へ向かった、あの夕方を思い出す。
細いカラダにチューブを差し込まれ、うるんだ眼で見上げ、そっとわらった表情。
先週会ったときには「あれから一年だね」と、冗談めかしてたばかりなのに。
病院のベットで心と身体を痛めている彼女を想うと、すごくつらい。

来週早々にオペをするという。
不安材料はぜんぶ取り除きましょう。今度こそ。
そうだ、おみやげに波照間のおいしい黒糖を持っていこう。



2002年05月16日(木)
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