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■ ジンジャーエールをにぎりしめ
夜、研究室の屋上へ出ると、夏の夕方のような匂いがした。 さっき自販機の前で、少し迷った後、緑の缶のジンジャーエールを買った。
「夏が始まった」と感知したとき、私はきまってジンジャーエールをのむ。 いや、ジンジャーエールを飲みたくなったから、夏が始まったのを知るのかも しれない。いずれにせよ、私は緑の缶に入ったそれを ちびりちびりとのむ。
小夜さんと吉祥寺でお昼ごはんを食べた。 彼女はその昔、私がネットでナンパした女の子だ。カッフェ・パッサテンポ。 イタリア語で「暇つぶし」という名のその店は、ここ最近、足繁く通っている。 風通しのよい店内には、『シャイン』のサントラが流れていた。
小夜ちゃんは、よくわらった。 彼女がわらうと、私も嬉しくなり、いいぞ いいぞ、と思う。 ふたりで女子高生のように、わらってばかりいた。 私たちもジョシコーセイだった頃があるんだから、驚き。
その後、吉祥寺のとある穴蔵で フードの撮影。 ひとつき前、夜にここでシェーカーを振ろうとしていたのだが、オーナーさんに 「店長をやってみないか」と誘われ、でも昼間のシゴトがあるので 泪をのんで お断りした。すると、数週間前、今度は違う職種での依頼があった。 広報宣伝物作成係。つまり、まぁ、そういうことである。
本場、イタリアで修行を積んだというシェフが、狭いキッチンで ぱぱぱっ と作った料理を四品目 撮影した。前菜、パスタ、ピッツァ、ドルチェ。 料理が熱いうちに、あるいは、溶け出さないうちにバシャバシャと シャッターを切る。そして、撮影後は端からそれを いただいた。
夜、仕事場にこもって画像の編集をしていた。 そしたら、ジンジャーエールがのみたくなったのだ。 今年の夏のはじまりがどんな日だったのか、ここにこうして記録しておくね。
2003年04月24日(木)
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