昼前から強くなった風は、午後中関東平野を吹き荒れた。 黄砂ならぬ赤い砂が宙を舞い、空が茶色く濁る。 そこら中体中、砂くさい。
昨夜から放置していた本の山を崩し、整理し、昨日まで本棚があった所に積み上げる。 それでも壁に見慣れない空白が残り、そのせいで音が妙に反響する。 雑誌の切り抜きでも貼ろうか。
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もう少しもう少しと読んでいると、つい食事のタイミングを逃してしまう。
近藤史恵『スタバトマーテル』 芸術家ってエキセントリックな所があって当然みたいに言われる事がある。 じゃあ、奇矯でないと芸術家ではないのか、と考えると浮かぶどこぞの父の姿(笑)。 見慣れているから何とも思わないだけで、世間様から見れば立派に変わり者なのかもしれん。
池澤夏樹『スティル・ライフ』 遂に、ついに読んだぞ。 短編が二本収録されているこの本は、一言で言えば「バランス」についての話。 それはこの作家のどの作品にも流れるテーマなのかもしれない、と勝手に思った。 装丁は今いち好みでないが、自分のものにしたい本である。
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