出向コージ苑

2002年04月05日(金) シンナーとホコリのニオイ

毎週金曜日はバイトのハシゴである。
午後からは大学の留学生センターで働く。
新学期前なので、仕事があるかと危ぶんでいたのだが、心配する必要はなかった。
コピー、コピー、コピー。
たかだか3時間で、恐らくアマゾンの木一本分くらいの紙を消費した(かも)。

現在大学はあちこち改装工事を行っている。
食堂の厨房だったり、学内の道路だったり、留学生センターも例外ではない。
おかげで先生方はいつもの部屋を追い出され、給湯室に押し込まれている。
パソコンが整然と並ぶ教室は、今は工事用のビニールシートで覆われている。
出入りする人も、薄緑の作業服を着たおっちゃん達ばかりだ。
先生方は「埃っぽくて嫌だわ」と仰るのだが、
コージ苑は実を言うとこの手の光景には親しみがある。
伯父が造園会社をやっており、加えて父親の仕事も石の粉を撒き散らすものなのだ。
青いビニールシート、作業服に日焼けのおっちゃん、粉まみれになったドリルや脚立、
ペンキ缶の山、錆止めの塗料、長い長いメジャー、ダンボールに突っ込まれた雑多な道具。
こういったものは全部小さい頃の自分の周りにあるもので、
近所というものがなかったその頃、一人で遊ぶしかなかったコージ苑は、
この、触ると自分まで埃で真っ白になる道具を想像の糧にして楽しんでいた記憶がある。
で、今日のセンターの状態はかなり落ち着けるものだったのだが…

工事道具と教材がごっちゃになってる所から一冊のファイルを探すのって面倒なんだよ!

※※※※※

近藤史恵『ねむりねずみ』『ガーデン』
この人、推理小説より土曜ワイド劇場的な愛憎劇の方が上手なんじゃないか。
この手の殺人事件が絡んだものだったらデビュー作の『凍える島』はやっぱり良かった。

筒井康隆『ロートレック荘事件』
小説でしか楽しめない小説。
というより、活字っていいぞ!と思わせるような本、とでも言うのだろうか。
トリック分った時にはもう一回最初から読まなきゃ気がすまない。
というわけで、2度読みました(笑)。


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