2002年06月05日(水)


いじけて卑下して被害者ぶって落ち込んでるキティにはなりたくない。
けれど僕は、冗談抜きで、不器用で要領悪くて気が利かなくて馬鹿である。
誰の目にも明らかなように、僕はマジでおかしい。
クマたんの言うように、僕は「普通」の部類に属しているものの、片足はみ出ている。
社会生活を営める能力くらいは有しているが、それが精一杯なのだ。

そんな僕が働き続けている今の職場…居酒屋の調理場。
ミスしない日がないといっても過言ではない。
毎日毎日主任に注意されながら調理している。
        ネギトロ巻き寿司作りゃあ「ネギトロ多い」
        握り寿司作りゃあ「シャリ多い」
        サラダ作りゃあ「レタス多い」
        さいころステーキ作りゃあ「油多い」
        揚げ物すりゃあ「揚げ過ぎ」
        ほっけ焼きゃあ「もっと焦げ目つけて」
        焼きそば炒めりゃ「手早くしないと」
それだけではない。
僕は日々何かしらの注意を受けて働いているのだ。
こないだも、裏の冷蔵庫に在庫があると思ったらなくて(いつもならあるのに)
主任に怒られてしまった。
そして今日も、僕が在庫確認を怠ったがために主任に迷惑をかけてしまった。
オーダー個数を間違えたり、解凍し忘れたり、出したオーダーをまた作らせたり、
わざとやっているわけではないのにいつもいつもミスばかりするのだ。

今日珍しく調理場に入っていたN山君に言われた。
        「よく天然って言われない?」
        「ずばり聞くけど料理下手でしょ」
        「意外にもずぼらだったりして」
僕はこう答えた。
「天然は言われないけど、知恵遅れだってよく言われるよ」

N山は僕のいいかげんさに意外性を感じていた。
僕は、今まで培ってきたものが崩れそうな予感がして怖くなった。
N山は「変な奴が好き」だというが、僕のいう「変」とは明らかに相違がある。
僕は今のバイトをやめたくはない。
だが、それには社会性を身につけた普通の世界の人間として在らねばならない。
今のまま――少し変わったところがある個性のある子――のままならば心配ないのだが、
それが「変な奴」に変わったとき、僕は生暖かい目で見られるに違いないのだ。

今日のN山の発言により、今後バイト先で警戒態勢を敷く必要性を実感した。
本性を見せてはいけない。
見せるとたいていの人間は逃げていくから。



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