2002年06月17日(月)


家に帰ると階段の踊り場に仔猫がいた。

「あ、なにお前」

動物に親しげに声をかけてしまう僕は、当然そいつに話しかけた。

通り過ぎてドアを開けると、ヤツは一段一段階段を下りていった。
部屋にいるキジを呼んで、下り途中の仔猫を見せる。
キジがしゃがんで「おいでおいで」と呼び寄せると、仔猫はキジの手の中に入った。

部屋に招待する。
しばらくキジがボンボンで遊んでやっていると、外から親猫の声が聞こえた。
急いで仔猫(名は二号)を外に出し、親猫(メス、名はエンガワ)を待つ。
親猫は警戒するでもなくキジの足にまとわりつき、「ねえかわいいでしょ」的行動。

とにかくしつこい。

確かに彼女は一見美猫である。
目は片方が水色、片方が黄色でぱっちり、小顔で、毛は真っ白である。
育ちの良さげな感が漂うが、そこらにいる猫よりほっそりしている。
今はただの貧乏猫と成り下がってしまったが、元飼い猫であることは一目瞭然であった。
しかしあまりのしつこさに僕とキジは閉口した。
一匹しかいない子供より、自分の保全のほうが大切なのか、腹を見せてまで
「お部屋に入れて」とおねだりおねだりし、子供はシカト。
お前に親としての、否、猫としてのプライドはないのかと問いたい。

彼女は、他のアパートの住人からも食べ物を与えられていた。



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