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2003年10月02日(木)
祖父が死んでから、祖父のことを知るようになった。 一番はじめに驚いたのは、祖父の戦傷病者手帳を目にしたときであった。 それから、祖父が会社を興していたことや、高校時代のことを知った。 叔母様の話によると、祖父が戦争から帰ってきたとき、 真冬にTシャツ一枚で、がくがく震えながら玄関の前に立っていたそうだ。 そして今、祖母から、祖父の友人からの手紙を預かっている。
僕は、祖父から戦争の話を聞いた覚えがない。 子供が聞いても面白くもない話なのは確かだろう。 でも、なぜもっと戦争の話を聞いておかなかったのだろうと後悔している。 祖父が、日本中が、どんな気持ちで戦っていたのか、何のために戦っていたのか、 歴史の中に書かれていない歴史を、僕はもっと知っておくべきだったのでは なかろうかと、今にして思う。 そして何よりも、もっと祖父の話を聞いておけばよかったと。 僕が聞いた話は、群馬から東京が真っ赤に見えたことや浅間山の噴火や近所の洪水のこと。 ひょっとして、祖父も戦争のことはあまり話したくなかったのかもしれない。 戦争って、なんなんだろう。 人の心をどのように変えてゆくものなのだろう。
僕はさっき、浅田次郎の「日輪の遺産」を読み終えた。 浅田次郎の長編はあまり好かないのだが、それでも読んでしまったのは、 太平洋戦争に軸を置いていたからだろうと思う。 語り手が、13歳くらいの女学生だったり、東部軍の少佐だったり、マッカーサーの 中尉だったり、はたまた現代だったりして、色々な側面からの謎がある。 そういった面をすべて繋げ合わせて読んで、やっぱり僕は日本を誇りに思った。 最後はめでたしめでたしなのかどうかは定かではないが、間違ったことはしていない。 日本は不滅だ。 何度でも復活してやろうと思う。 この先どんなことが起ころうとも、僕は祖国を捨てはしない。 先人たちが守ってきた此の国は守るべき遺産である。
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