月明かりの下 - 2004年08月03日(火)
大切なものが自分なりに幾つもあって そのどれもが順序はつけられない。
月明かりの下で、にこやかに歩く夫婦らしき二人。 その後ろ姿は、どこにでもあって なんら不思議もない。 そんな後ろ姿を見ただけで、涙が込み上げた自分はなんだろう。
いつも自分に正直でありたかった。 たとえそれが間違っていたとしても、周り道かもしれなくても。 悲しみも切なさも乗り越えて、喜びを得る為に。 目の前に幾つ壁が出来ようとも。 一つ一つ増えつづける経験と思い出を いらないと思いながらも抱きしめて歩けばいいと思っていた。 正直でいて、それが間違っていたら後で直せばいいと思っていた。 長い夜はいつだって眩しい程に明けてきたから。 答えは見つからなくても・・・。
自分に嘘ついて、人の言いなりになるよりも。 迷えば、この人ならと思う人に相談もした。 なんら血の繋がりもない他人ばかりだけど。 意見をもらって、その上で最終的に決めるのは自分。
毎日は思い通りにいくほど簡単じゃない。 迷いもとまどいも増えていく一方。 それでも、壁を壊しながら生きてきた。 荒れぶる感情も甘えも捨てて、自分なりに生きてきた。
そんな自分の今までに後悔は無い。
だけど。 そうやって生きてきて、いつしか我慢を覚えてた。 正直でいる事が全てじゃないと。 曲がった生き方だけはしたくなく、隠す事もしたくない。 こんな生き方をバカだと思う人もいる事は分かってる。 もっと要領よく肩の力抜いて生きられたらとも思う。 何度も、そう言われてきた。 そう・・・。 兄にも・・・。
「人生一度きり。誰の人生でも無い。◯◯の人生なんだよ。正直でいいじゃないか。 真っ直ぐに生きてる証だよ。それが、たとえ人に分かってもらえなくとも。 分かってもらう事だけが全てじゃない。自分がどうあるべきかなんだよ。」
信じて・・・信じて・・・。 自分を守るのは自分しかいないと幼い頃から思い続けた自分。 なんだったんだろう。 何故、こんなにも自分を貫いてバカ正直に生きてきたのか。 騙すより騙される方がいい。そんな事も言われてきた。
昨日に寄り添い、明日を描き、迷いながらも手探りで生きてきた。 でも・・・。 そんな思いは感じないようになってしまえばいいと思う。
弱いとこは見せたくない。 わずかに残る強がりな気持ちがそれを許さない。
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