月例の会議が今日は3つもあった。 さすがに3つあると時間が中途半端に余ってしまうので、余った時間は、同僚と誰でも出来る石の粉砕をひたすらしていた。
そのつまらない作業中の会話で、桜が満開なので今日は桜並木の下をわざわざ通って帰ろうと思う、と同僚に言ったら、そんなら私も見たいから桜を見に行こうという話になり、定時ダッシュで帰宅し、彼女と合流した。
同僚とは珍しく恋愛話をしながらパスタを食し、桜の名所に向かう。 月曜日だというのに花見をしている集団が異様に多い。普通夜桜見物は寒いものだけれど、今日はコートなしでも平気なほど暖かかった。しょぼいスポット、と思っていたそこは思った以上に素晴らしく、普通の裸電球で桜に当てられた光はあたりをピンクに染めていたので、ああ本当に桜ってピンク色なんだなあと当たり前の事を今更思ったのだった。
道中や、桜並木の下で、基本方針演説で寝ていた先輩の顔を思い出して笑い転げ、それを見てわら転げていた私が視界に入ったのがおかしくて同僚が笑い転げ、社長がとある漫画のキャラクターそっくりだと言っては笑い転げ、暗くて来た道がわからなくなった私を笑い転げして、とにかく腹筋をたくさん使った。 こうして下らない事で笑える事が、一番大事なのかもしれない。
「玉砕覚悟なんて言わないで、もうちょっと自分を信じたらどうですか」 ありがとう。嬉しい。 自分を信じるって、でも本当に難しいね…。
まだ時間に余裕があったのでわざわざ遠回りをして近所の桜並木を何個所か行脚し、満足して帰途についた。
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