ふすまのおく
細々、ぼそぼそ書いてます。

2003年12月24日(水) 家族

クリスマスイブは、両親と鍋を囲み、焼いた鶏肉を食べた。
コテコテした食べ物が多い中、葱味噌(葱と鰹節の味噌汁)は異様に美味かった。クリスマスには葱味噌が似合う。お約束のケーキはいつもと違う店のものを買い、3本の蝋燭を立てて部屋を暗くし(3本とは家族3人という意味なのだそうだ)、なぜか私が炎を吹き消した。こないだの試験の合格祝いという意味もあるのだろう、乾杯、おめでとう、と言われてこそばゆかった。

朝、母親から、同級生のお父さんが激務の後に倒れたと聞いた。
同級生のお父さんと私の母親は同じ職場で働いているので、そういう話が聞こえてきたのだ。発見が遅れたために、あまり体の状態は良くないそうだ。同級生のお父さんを、私の母親はあまりよく思っていなかったらしいが、少なからずショックを受けていた様子だった。

そんな話を聞いてしまったから、今日のクリスマスを家族で過ごすことが、とても貴重なことに思えてしまった。普段は感情が振り切れそうになるまで言い争いをしたり、酷い事を言われて底なしに沈んだりするのだが、いい大人になってからはこんなに平穏なクリスマスは初めてかもしれない。

同級生のお父さんといえば私の両親と歳もそう変わらないだろうし、そういえばこないだも大学時代の友人から父親が亡くなった、との喪中欠礼の葉書が届いた。他人事ではない、いよいよ、自分だけの都合で世界が回らない年齢になったんだと思った。自分の両親も、いつまで健康でいられるのか。いつまでこうして家族でささやかな生活ができるのだろうか。家族といられるうちは、家族でこうしてお祝いをしておこう、家族は永遠に目に見えるものではないんだなと思って少し泣きそうになった。


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襖 [MAIL]